「テニスの金玉様(テニキン)」前編
【テニスの金玉様(前編)】
「「タマァアン!」」
ある衝撃音と共に俺は目覚めた…。
ここは…どこだ?どこかの学園のようだが見覚えがない。?、俺は誰だ?…断片的だが少し思い出し自分の名を口にする。
「越前…リョー…マ?」
少し記憶喪失状態だが、思い出しつつ状況を確認する。
俺は青春学園中等部1年生で、アメリカJr. 大会の4連続優勝を経験した。誕生日は12月24日。そうだ、俺は学校に行く途中だったハズ…。でもここは学園っぽいが明らかにファンタジーな建物だ(まるでハリポタみたいな)。それに空を見るとドラゴン飛んでるし!ピカチュウみたいなマスコットキャラがさっきからコッチを見てるし!
「これ異世界転移ってやつ?」
少し混乱したが、すぐに冷静になりこの後どうしようかと考えていると遠くから声が聞こえてきた。
「オーイ、大丈夫かー!?」
近づいて来た青年をよく見ると、褐色の肌に額に2本の角と黒い翼を生やした悪魔だった。
「スマンスマン、相手ぶっ飛ば殺した時ボールも遠くに飛んじまったゼェ。」
よく見ると越前の股間の上に金色のテニスボールが乗っている。目覚めたキッカケはコレが当たったからか。
「ん?オマエ人間かよ。ケッ、心配して損したぜ」
悪態を付き、ボールを奪い取って去って行こうとしたが急にピタッと足を止めた。
「オマエ、ラケット持ってンじゃん。キンタマテニスやれんのか?」
言われて越前は左手を見た。ラケットを持っている…異世界転移した時持っていったのか。それにしてもキンタマテニスって何だ?
「勝負しろよ人間。勝ったら何でも言う事聞いてやる。ただしオマエが負けたらオレの家畜な!」
なんて身勝手な奴だ…と思ったが、これはチャンスでもあった。見知らぬ世界で生きてくには協力者がいる。ま、テニスも負けるわけないしね。
「いいよ、やろう」
ニヤリと笑う悪魔少年。越前は見通しが甘かった事に後で気付く。
ーちちぷい学園キンタマテニスコートー
『ふーん、ツイストサーブを簡単に返すなんてやるじゃん』
『大丈夫だ、問題ないね』
『ドライブHが効かない!?』
『ぐああああ!!』
『明らかに俺を殺しに来てない?』
苦戦する越前。それと同時に「違和感」をも覚え始め、思うようなテニスが出来なくなっていた。
To be continued···
後編↓
https://www.chichi-pui.com/posts/d94e60ec-48ed-4e9d-a444-0235d660aaea/
呪文
入力なし