カノッサの屈辱
「大丈夫だって。この時間に誰も来ないのは確認済みだから。うん、イイね可愛いよオサム君。」
「かっ…!可愛いっておまえ…!」
「あはは、ごめんって。もぅ…いつも言ってるんだから少しは慣れてよね。」
「慣れるか!」
「大きい声出さな〜い。見つかっちゃうよ?」
ぐぐぅ…!どの口が…!
確認済みって万が一って事だってあるんだろ!
う〜…なんでこんなトコで…!
いや,まぁ、負けたら一つ言うことを聞くって賭けに負けたんだから仕方ないっちゃ仕方ないんだけれど… 選りに選って町の図書館とか…選ぶか普通?!
オレの名前はカノウ オサムという。
れっきとした男子だ。
そして今、オレの写真を撮っているのは幼馴染で同級生のクツワジ ツバサ。女子である。若干、男まさりで身長もオレより高かったりするが…可愛い物好きで,ぬいぐるみなんかを集めている至って普通の女子である。
…ん?…ああ、そうだな、状況説明が先だよな。うん、すまない。今の状況を説明するとだ、図書館で写真を撮られている。被写体はオレ、撮っているのがツバサだ。
オレ達は小さい頃から事ある毎に勝負をしてきた。
その度に『負けたら勝った方のゆう事を何でもきく』という賭けをしているんだ。
最初は他愛無い勝負事だったのだが、ある時ツバサのヤツが『オサム君ってカワイイ顔してるよね?』とか言い出しやがってさぁ…それから勝つたんびに『これ着て』『あれ着て』って女物の服を持って来てはオレを着せ替え人形にして楽しんでいる。
オレが勝った時にはツバサにオレの服を着せてみたんだが…ツバサのヤツ、嬉々として着た挙句に『オサム君のニオイがする。』とか言いやがって…こっちが恥ずかしくなったわ!
んで、まぁ、それが段々とエスカレートして…下着も女物を着せられた挙句、撮影までされてるっていうのが…今という事なわけ。
「良いよ〜オサム君。ん〜セクシー!」
セクシー言うな。
嬉しくないわ。
「じゃあ次は後ろ向いて、オシリをこう…グッと!」
「グッと?…こうか?」
「そう!それ!んふ〜!」
『んふ〜』ってオマエ…
まったく…いい加減にしろよな。
もうそろそろ巡回の人が来る時間になっちゃうだろ…いや、お前は良いよ?撮ってるだけだからな?オレはマズイだろ。この格好じゃ、どう言い訳しても変な人だ。
なんて考えながら注文通りのポーズをとっていたら、突然ツバサの動きがピタリと止まった。
「ツバサ?」
「シッ!静かに…!」
なんだなんだ?
何がおきた?
「オサム君、逃げるよ。」
ツバサはそう言うと弾かれた様に動き出した。
あくまで足音をたてない様に静かに、それでいて素早く、机の上に脱ぎ捨ててあったオレの服を引っ掴んで奥の扉を指差し『あっち!」と短く囁いて走り出す。
ツバサの後ろ姿を見て、ようやくオレは理解した。
「あ、人が来たのか!」
思わず叫びそうになったのを、口を押さえてグッと飲み込む。
やばいヤバい!
服!服着なきゃ!
って、あれ?
…あ!
ツバサが持ってちゃったじゃん!
おいコラ!待てツバサ!
服!
オレの服!
声を出せずにパクパクと口を動かすだけの訴えは、こちらを見ていないツバサに伝わる訳もなく…
ああもう!
事ここに及んではツバサの後に続く以外の選択肢は無いに等しい。ならばと覚悟を決めて指差された扉へ向かって走り出す。
布面積が小さく
ホールド感が心許ない
色々はみ出そうな下着を押さえながら
ツバサの背中を追って。
呪文
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イラストの呪文(プロンプト)
イラストの呪文(ネガティブプロンプト)
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