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どんなに頑張ったって
稼げなきゃ無駄…
絶望の雨が降りしきる。

「こんにちは、」

傘も指さずにスーツ姿の人が話しかける
不審に思いながらも、
自身も辛い気持ちのなかで
海を見に来たものだから、

「こんにちは、」

と挨拶する。
なぜ、こんにちはなのだろう。

「あの、もう、夜ですけど…」

「眠れないから昼なの」

彼女が微笑むと、波が押し寄せてくる。
ここは夢なのか?と
彼女は何者なのかを問いたくなる。

「君は誰?」

「絶望する渇き…ってところかな」

「渇き…か」

自分にも思い当たる節はあった
心の奥でどす黒く蠢く感情

眩しい人を見ると、
自分自身がちっぽけで矮小で
この世界にいちゃいけないんじゃないかと思う時、

故に…

私が此処にいるのも、
きっと、渇きによる行動が
この不可思議な世界に来たのだとする。

此処は夢なんかじゃない

「地獄ですか…」

「正解」

女性は白い翼を背中に生やす。
しかし、天使ではない、悪魔だ。

「地獄だと気づいた君に教えてあげるワタシの名前はアスタロト…」

アスタロト、名前は聞いたことがある。

「有名な悪魔の方ですよね」

「ワタシのことを知ってるのかい」

「まぁ、アニメやゲームからですけど…」

「人類社会も娯楽が溢れたね」

「アスタロトさんも何か好きな作品はあるんですか」

「うーん、そうだなぁ、パプリカかな」

「パプリカ…」

「あと、ねこぢるうどん、あとミノタウロスの皿、僕らの、他にも色々好きだよ」

どれも悲しく、そして、混沌した作品だ。
決して幸せになる気分ではない、
むしろ、鬱になるために鬱になる。
でも、私はそういった作品が好きだったから。

「わかります、私もそのような作品が好きです」

「ハッピーシュガーライフもいいな、主人公は狂気的で決して社会にとっては悪なんだけど何ともいえない感じ、なんだか、ワタシのようでいて親近感を覚えたよ」

「アスタロトさんは元から悪魔ではなかったと」

「うん、ところで、君が地獄と認識したから、この場所を離れようか」

アスタロトは指を鳴らすと、
海からアンティーク家具が並ぶ空間へと変わる。
本棚には自分の知っている漫画やアニメ、ゲームが置いてあった。

「すごい!これってアニメ『即席ロボ ギリガレオン 地球滅亡まであと7日』の初回限定版じゃないですか」

「ふん、まぁ、ワタシは未来も過去も見通せるから、自分で並んで買っているよ」

「わかります!自分で欲しいものは直接手にいれたいですよね」

「そうそう、君、結構、話がわかるじゃないか」

私はアスタロトさんと、話が盛り上がる。
人間界にいたときは苦しみと絶望で、
自分で終わらせることをしたが、
地獄の中に、やっと、
楽しいと思える自分がいた。

「やっと気づいた…」

白黒だったものに色が戻ってくる感覚を

「ふっ、地獄行きは決まったけど、覚悟は決まったのかい」

「はい、私の罪は、自分で終わらせた罪は永遠に、消えないものだけど、アスタロトさんのおかげで前を向いていけそうです」

「ふっきれたな、君を虹色の悪魔にでも、しようか」

「いえ、お断りします。私は罪を償って、そのときはまた、アスタロトさんにお願いするかもしれません…」

「そうか、この地獄は1億年、2億年…無限の地獄で、人類社会は滅びてるかもしれない…けれども、キミが前を向いて進めることを願うよ」

失いかけた感情に涙を溢しつつ
私は深い深い地獄に落ちる。

『渇望する渇き』
私 山原ユカタ
アスタロト 夢月ホノカ
金髪の女性 神橋ツバサ

主題歌『雨の天使と虹の悪魔』
作曲Suno Ai 作詞Nekono Tsuzuri
歌 山原ユカタ

主題歌です
https://suno.com/song/efce6f77-bf84-45ce-ac3d-b00eef99836d
(元の歌詞に改良を加えました)

世界は綺麗で残酷だ
無情の雨が見える
僕たちを襲う

頑張るってなんだ
努力は必ずしも実らない
嫉妬に狂う我が心の闇

明るさっていいよね
笑顔っていいよね
輝かしいほどに色褪せる
嫉妬に狂った少女は今、銃弾を撃つんだ

悲しみの涙が雨となって襲うのだ
このムシャクシャした心ともに
押し隠すように覆う無情と絶望が
闇となって混ざる、パンドラボックス

私いない方がいいよね
報われない主人公、
救いのないストーリー
どれも私、みたいだな

進めなくなってしまったときこそ
上を向いて歩こうという
のは嫌いだった
上なんて向けたら
きっと消えてしまいそうだから

憂鬱と絶望、漆黒の羽が
私の元に来て伝えてくれた
宣告、地獄行きと決まった
片道握りしめて

地獄の苦しみを味わうのかと
吐息を付くんだ

Sadly Deadly Sing a Song
Never Coming Happy Story for you
Do you have Happiness Story?

雨に濡れる、悲しみが頬を伝う
憂鬱な心が僕の胸を刺す、
シャット夢の欠片破壊してくんだ
これからもずっと、絶望と共に
私はきっとこれからも涙を流し続ける

いつか、虹の果てに幸せがあるのならば、
見たい、見せてくれ
憂鬱が希望に変わる眼、
に寄せる天使の羽が生えた
泡沫の夢、

深く、深く落ちていく地獄の海、
静かに眠る、Sleeping you End

ネコノスタジオ制作

監督 猫乃つづり

Specialthanks

本作を見てくれた皆様

この企画を
開いてくださったマルチビタミン様

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