ミラさん作『今日のゆりなヴェヌル』
https://www.chichi-pui.com/posts/84118bf9-671f-4ea9-8ffa-c9556b12a350/を見て、本作ができました。
Let's 【絵物語】にゃ~!
コココタウン ミラ研究所
今日もゆりなヴェヌルは
穏やかな日々を過ごしていた。
ゆりなヴェヌル「婆ちゃん、今日はどこに連れて行ってくれるの?」
土下座スタイルで質問する
ゆりなヴェヌル
ミラ博士 「今日は深淵巡りでもしようか…コココ」
ミラ博士は邪悪な笑みを浮かべる
ゆりなヴェヌル「婆ちゃん、それPsychoだね、ついでに越夜を倒しに戦場巡って~」
ゆりなヴェヌルは、バトルが好きなので
うんうんとツインテールを揺らして
頷いていた。
ミラ博士「コココ、腕がなるわいの~コココ神拳を振るう時、右手が疼くわい…殺殺殺、ワシの左手は『-正殺爆月-』、いつでもバトルはできてるぞコココ」
ミラ博士もミラ育成計画によって
ゆりなヴェヌルに負けず劣らずの
戦闘技術を会得していた。
ゆりなヴェヌル「で、家に帰ったら、強敵(トモダチ)たちとバトルしに行くってことで、どんな路地と深淵と戦場堕ちが待ってるんだろう楽しみだな~」
ミラ博士とゆりなヴェヌルはバトルジャンキー的なお出かけへと向かうのであった。
ミラ博士の手を繋いで深淵を巡る
ゆりなヴェヌル
「真っ暗だね」
「気を付けるコココ…這い寄る手もいるからな」
「這い寄る手って瘴気もあるんだよね…あれと戦うの怖いんだよな~」
「コココ、だけど採掘するのが楽しくて潜っちゃうんだよな~」
「婆ちゃんも好きだね~、録音してるよ~採掘する時の音、聞く?」
「Puiは取らんよな」
悪代官のような表情で尋ねる
ミラ博士
「取らないよ~、その代わり、夜の相手をしてくれたら、助かるかな~って」
「ゆりばんざーい!いぇす」
ミラ博士は百合が好きな変態博士なので、
もちろん快くいぇすとノリノリだった。
「婆ちゃん大好き」
むぎゅっと抱きつくゆりなヴェヌルに
ミラ博士は…
「むほぉこれはたまりませんなぁ~コココ、はぁはぁ、キムキムタマタマ」
と、マニアのようなネトネトした声音で
興奮しているのであった。
彼らは深淵巡りをして、その音楽を聴いてはイッてイッちまっていた。
これが、深淵堕ち…
「さて、深淵にずっといると瘴気でやばくなるから、婆ちゃん地上に戻ろっか」
「いぇす」
「婆ちゃん、それ、気に入ってるよね」
「だって、ゆりなの始まりは、いぇすからだったもんなぁ~コココ」
「違うよ婆ちゃん、アタシ、はじめて会ったときは涙、流してたよ」
「そうだっけ?コココ」
「婆ちゃんはやっぱり婆ちゃんだね、アタシは覚えるもん、あの時、婆ちゃん、ホラー映画見た後だから、怖いやつに化けて、トイレに出た後で脅かしたの忘れてないからね」
「えっむっむかしだなーおぼえてないなー」
「婆ちゃん、アタシは強くなったからね、だから、その気になれば、おにぎりの具材にだってできるもん」
「コココ…コココ…」
ゆりなヴェヌルは記憶力がよかった。
親よりも子の方がよく知っている。
むしろ、若いからこそ…
いや、ミラは思った一歳
しか違わなくないかと…
「あっ、越夜隊がいる!異端処理部隊『激怒』として此処は処さないとね!」
ゆりなヴェヌルは
遠くに見えるトラックに向かって
駆けだしていった
「うぅ、蜜月会にはお世話になったけど…囚人の時の記憶があるしな…」
刑務所に戻りたくはないので
相手が蜜月会だとしても
静観することにした。
彼らに加担すれば、
他のミラが捕まってしまうため、
自由の身なれど、ミラ博士は
陽群来巣のりえや白服、黒服、フィクサーに監視されていた。
りえに至ってはPuiをせびってくるため
たちが悪かった。
断ればトイレに逃げ込もうとも
底まで追いかけてくる。
ゆりなヴェヌルは
聖教会 異端処理部隊『激怒』
第六部隊隊長ブライト・クライテリア
の指揮の下、反抗作戦を続けていた。
そのため、越夜は、彼女にとって
かつての友達ではなく、
破壊を巻き起こす厄災として見えていて、
彼らとの因縁は深いものとなっていた。
何よりも、彼女の養父、エルリック・ノワールが越夜に大切な者たちを殺されたことも、ゆりなヴェヌルが越夜を許さない理由にもなっていた。
業が深く…悲しみが悲しみを呼んだ悲劇として…解消するには何度悲劇を繰り返すのかといったもので、止められないものになっていた。
だからこそ、ゆりなヴェヌルは、
このどうしようもない争いに対して
信念に抱くのは…養父や大切な者との日常を過ごすため、ミラと穏やかな日常を暮らすため…だからこそ、その思いを破壊するならば、例え、優しき者であろうともっ!
「今日の秋刀魚大漁だね~」
「これで、小さい子達にも美味しい魚振る舞えるよ…」
トラックで走る越夜隊、シタバルシティを
拠点に活動するS8ちゃんがリーダーを努める漁戦隊のメンバーたちが食べ物を輸送…
この物資は彼らの夢を乗せて運んでいた。
見逃せばよかったのだろう…
越夜所属じゃなければ、
ゆりなヴェヌルは倒しに行くことは
なかったし、むしろ、一緒になって
飯を食らう仲になっていたのかもしれない。
だが、越夜と黄昏…2つの所属間の戦争の痕跡は涙を流してすむほどにはうまく出来ていなかった。
止まらない…突撃の翼
振り返るシスター達
彼らは邪悪な顔をした怪物ではなく
優しさに満ちた表情をしていた…
誰が戦争を動かしたのか
誰が悲劇を作ったのか
誰が…誰が…と
人は依代を求めなくては
崩壊しかけてしまうほどに弱く…
儚くトラックは爆散する。
「パパの悲しむ世界は繰り返させない」
レインの死を想いいて、ゆりなヴェヌルは
祈り手を合わせる。
エルリックの
大切な人であり、好きだった人…
狂気はあれど、獣ではない…
ゆりなヴェヌルは笑顔だった。
だけど、一筋の涙が零れた
「ヴェヌル…大丈夫コココ?」
ミラ博士が心配する
「大丈夫だよ、だって、誰かが殺らなきゃ、誰かが破壊されてたから」
その先には拠点があるのだろう。
だからこそ、ゆりなヴェヌルは、
社会再生のために必要な犠牲を行使した。
ミラ博士は見守るしかなかった。
助けてやりたかった、だけど、
越夜隊の行動方針は破壊と破滅だった。
確かに魅力的な響きだが、
彼女には平穏が欲しかった。
破滅や破壊ではなく、自由と笑顔を求めていた。だけど、彼らと過ごした経験が、
知らない時の感情よりも胸に来るものがあって、複雑だった。
締め付ける感覚が、ミラに涙を流させた。
瞳の下に流れるは…
慟哭と不条理の二重奏
僕らの言葉は一つ一つ異なれど
悲しみの記号は共通する。
涙を流す、この行動に抱く想い
そして、ヴェヌルによって
破壊される建物に
手をあわせて祈った…。
彼女が帰ってきた。
「お腹空いてきちゃった」
ぐぐぐ~と音がなり
てへへと照れるゆりなヴェヌル
夕焼けが彼女の哀愁を染める
背中に、いったい幾つもの業が染み付いているのだろうとミラ博士は考えると…
胸に来るものがあった。
いったい、何度、何十回、何百回、
ゆりなヴェヌルは
人を殺してきたのだろう…
戦争において勝つには、
話し合いも大事だ…
だが、話し合いが通じなければ
生きるために抵抗しなくてはならないわけで、躊躇えば自分の生命活動に支障を来してしまう…
ましてや、大切な存在がいるなら、
戦わなくてはならない…
自身が死ぬことで、彼らは路頭に迷ってしまうのかもしれない
そして、その生きるための思いが
戦う力を生み、どちらも生きるために
互いの命をかけて他者の命を
奪うしかなかった。
「狂気を捨てたら…戦えなくなるよ…」
ゆりなヴェヌルはぼそりと呟く
顔は笑顔で優しげな笑みを、
浮かべつつも…
少女はどこかで、
生きるための狂気を宿していた
生存戦略を会得した上で
蓄積されたソレは
水につけた布で拭うには不可能だった。
おにぎりを食らう、ゆりなヴェヌル
「婆ちゃんが安心して暮らせる場を作るからね」
「ヴェヌル…辛いことがあったら、ワシが聞いてあげるからのコココ」
「じゃあ、婆ちゃんが笑ってくれるだけでいいよ…婆ちゃんの幸せな顔…婆ちゃんの温かな手…それだけでアタシは生きてるって実感できるからさ…」
「コココ…ヴェヌル、これからも健やかに過ごそうね」
「うん…」
ミラ博士はゆりなの手をそっと握って
温める。
物質的な温かさではストーブには及ばないが…冷たき戦場において、辛く悩めるヴェヌルにとって、ミラの温度は、心をポカポカさせた。
彼女は戦う、この世に越夜という存在が『激怒』の名の下に駆逐され尽くすまで
動き続けていく覚悟を握りしめつつ…
『深紅の業火』Song(SunoAI)
https://suno.com/song/07d501b4-8bd5-4486-a01b-8073d861aa4c