吸欲城2
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調査命令をを受けた私とアレックスは城の内部を進んでいく。
内部は事前の報告通り誰一人おらず、静寂に包まれていた。噂の財宝とやらの影も形もない。
アレックス「・・・先輩、こんな部屋報告にありましたっけ?」
慎重に扉を開けてみると外部からは想像もつかない広い教会があり、奥に人が佇んでいるように見える。(1P)
これだけ壮大な部屋を見落とすはずもない。やはりこの部屋は以前にはなかったはずの部屋であった。
失踪と同時に起こる城の変化で内装も変わるのだろうか―――。私がそう考えた所でアレックスが叫びをあげた。
アレックス「ミーナ!どうしてこんな所に!」
駆け寄りアレックスが縋りつく相手は私も一度会った事がある。(2P)
そう、あれは確か以前紹介してもらったアレックスの故郷の婚約者のミーナだ。
だがしかしこれは・・・
「アレックス!戻ってこい、やはりここは普通じゃない・・・」
アレックスは私の言葉は届いていないかのようにミーナと手を取り強く語り掛けている。
私は取り乱さないよう努めて冷静に声をかけた。
「・・・いいか、アレックス。落ち着いて聞け、ここにミーナがいるはずはない」
私は自身の声が届いているのかも分からない状況で続ける。
・・・・・
「君の婚約者のミーナは、先月に病死している。君が自分で言っていたじゃないか」
私がそう伝えると同時に先程まで誰もいなかったはずの奥から神父が現れ、アレックスに語りかける。(3P)
神父「・・・汝、この者と永遠に添う事を望むか?」
アレックスはこちらを一度見たのちに、神父へ頷く。
―――同時に最初からここでは何もなかったかのようにすべてが消え去り、私と空の教会だけが残ったのであった。(4P)
呪文
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