目が覚めると
いつも寝る前にそんな妄想を浮かべながら意識を落としていくのが日課だ。もしかすると夢の中でくらい他者になって自由に動けるような事もあるかもしれないから。
その日はどんな姿を思い浮かべながら寝るかは夕方には決めていた。家に帰る時にすれ違った女子高生グループの中で一際目に焼き付いた女の子だ。焦茶色っぽい長い黒髪を後ろで結び、制服も着崩さず正しく着ていた真面目な印象を受ける容姿端麗な女の子。性格も明るそうでグループの中心にいたように感じた。
その点、自分はお世辞にも容姿がいいと言えず、人付き合いも億劫で友達と言えるような存在も作って来なかった。まあ他者変身願望なんて妄想が趣味なんだから当然ではあると自分でも分かっている。だからだろうか、あの子をほんの少し見ただけで自分の中で欲望が膨れ上がった。
あんな子になってみたい。
布団に入る。眠いわけじゃない。日課の妄想に浸りたいだけ。すれ違ったあの子の姿を思い浮かべながら意識を落としていく。うまくいけば夢の中でくらい名前も知らないあの子にもう一度…
目覚ましが鳴る。起きなきゃいけない。
結局その日は夢なんて見れなかったようだ。この日課はそんなもの。うまくいく方が奇跡なのは自分が一番よく分かっている。
目覚ましを止め、ベッドから降りる。そこでやっと違和感を覚える。ここは…
見覚えのない部屋の壁に鏡があるのが分かる。着ている服、耳元を触るふわふわした何か、やたら前へ重心を取られる上半身、違和感は多々あるがそんなものを全て無視して鏡の前へ急ぐ。
頬に手を当てる。鏡の中の自分も困惑した表情で同じ動作をする。そこで自分の夢が叶ったんだと実感した。
「この子、着痩せするタイプだったんだ」
呪文
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