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水澤さんのおもちゃ エピローグ (2)

使用したAI NovelAI
――絢奈自身も、その後の行方はわからずじまいだ。
父親が逮捕された後、身寄りのない彼女は児童相談所に保護され、市の養護施設へと引き取られることになった。通っていた学校も、卒業を待つことなく転校を余儀なくされたと聞いている。

僕がしたことは本当に正しかったのか。
彼女は今、幸せに暮らしているのか。
それを知るすべは、今の僕にはなかった。

駅ビルの周辺はいつものように、様々な格好の人々であふれ返っていた。きらきらした街の佇まいは、猥雑な繁華街とは対照的だ。

待ち合わせで僕を待っていたのは、まだ年若い女性のようだった。
タートルネックの長シャツに細身のパンツを穿いたその人は、首から無骨で古めかしい年代物のカメラをぶら提げている。

――振り返った彼女と目が合った瞬間、周りの雑踏が遠くへ消えていった。
すらりと伸びた長い手足。透けるような白い肌に、絹糸めいた艶のある長い黒髪。
見透かすように涼やかな眼差しが、僕のことをじっと見つめていた。

僕の記憶の中より、幾分大人びた少女の口から言葉が投げかけられる。

「久しぶりですね、先生」
「……今はもう、先生じゃないんだ」
「少し、老けちゃいましたね」
「あれからもう、四年も経つからね。今じゃ立派なおじさんの仲間入りだよ」
「わたしはまだ、あなたが好きなわたしのままですか?」
「もし姿かたちが変わったとしても……絢奈はずっと、僕にとって大好きな絢奈のままだよ」

駆け寄って、その身体を抱き締める。
様々な疑問が浮かんでは消えて……でも、そんなことより伝えるべき言葉があった。

「好きだ。大好きだ。ずっと……ずっと、絢奈に会いたかったんだ」
「わたしもです。わたしもずっと、この時を待っていたんです」

ああ、そうだ。忘れられない。忘れられるはずなんてない。この子の温もりを、感触を、その存在を。彼女がここにいる。ここにいてくれる。それが、何よりも嬉しかった。

「カメラマンというのは、絢奈のことなんだよね?」
「はい。びっくりさせようと思って、蔵重さんには黙っていてもらったんです」

蔵重さんというのは、シゲさんの本名だ。ということは、あの人は全部わかってて僕をよこしたのか。
どうして、シゲさんと面識があるのか。僕の居場所をどうやって知ったのか。そして今、絢奈自身はどうしているのか。聞きたいことは山のようにある。

「とにかく、職場に案内するよ。積もる話はそれからにしよう」
「そうですね、せんせ……って、今はもう、違うんでしたっけ」

絢奈は首を振ると、僕の手に指を絡めながら嬉しそうに微笑んだ。

「さあ、行きましょう。稔人さん!!」

呪文

入力なし

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