[終]成人式
まず、男子たちの視線が一斉に胸元へと集まる。振袖の生地越しでも隠しきれない自分のボリュームに、息を呑む気配が伝わってくる。磁石みたいに引き寄せられた視線、開いた瞳孔――その反応に、思わず内心で苦笑いしそうになる。そのまま顔を見上げてきた時、彼らの表情が一瞬で固まった。男子たちはまるで言葉を失ったみたいに見つめてくる。「本当に同級生かよ……」「近寄りがたいくらい綺麗になってる……」そんな心の声が、空気の振動として私にも伝わってきた。
女の子たちは、最初は「久しぶり!」と明るく声をかけてくれる。でも、私の振袖姿をじっと見た瞬間、みんな一瞬動きを止める。胸元やお尻のラインに視線が集中して、「すご…」「やば…」「あれ本物?」と、ヒソヒソ声があちこちから聞こえてくる。「振袖ってあんなに胸が目立つものだっけ?」「後ろ姿もインパクトすごい…」そんなため息まじりの感想も、しっかり耳に入ってくる。
何気なく手を動かしたとき、左手薬指の指輪がキラリと光る。その瞬間、男子たちの顔色が変わる。「ああ、やっぱり…」「あの体、もう誰かのものなんだ…」と、静かに現実を受け入れている様子が伝わってきた。女の子たちも、ちらりと指輪を見ては「旦那さん、幸せ者だよね…」と、少し複雑そうな表情を浮かべる。
さらに、「しかも、もう子どもいるんだってよ」と誰かが小声で囁いた瞬間、場の空気が一気に止まる。「マジかよ…」「あの体でママとか、現実離れしすぎてる…」と、呆然とした視線が私に集まる。
写真を撮ろうと友達が寄ってきて、隣に並んだ瞬間、「本当にすごいね、もう私たちと全然違う…」「なんか私たちが子どもみたい…」「私、横に並ぶのちょっと勇気いるかも」と冗談めかして笑うけど、どこか本気のニュアンスが混じっている。
「私たち、まだ学生気分抜けてないのに、もうママであんな体って…」「同い年とは思えないよね」――戸惑いと驚き、そして少しの憧れが、会場中に渦巻いているのを肌で感じる。
みんなの視線を浴びるのは、もう慣れているはずなのに。今日は特別な優越感が、胸の奥からじんわりと湧き上がってくる。成人式の会場は、私の存在によって、まるで異世界のような空気に包まれていた。
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