秋の小道で見かけた美人さん
その艶やかな毛並みと琥珀のように美しい瞳に、僕は意識を奪われていた。
どれくらいそうしていたろうか。
その黒猫はこちらに気づいたのか、ニャァと小声で一鳴きするとするりとどこかに歩み去ってしまった。
失敗したな、絵になる美人さんの紅葉狩りを邪魔し、世界の美の総量を減らしてしまったかもしてない、
とその時になって初めて僕は気づいた。
……雄猫かもしれないだろ、だと?知らんのか、美人に性別は関係ないんだよ。
-----
本作品は、ゆうりさま主催の企画に触発された作品です。
呪文
呪文を見るにはログイン・会員登録が必須です。
コメント
コメントをするにはログインをする必要があります。