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小麦畑の亡霊 レスランド

使用したAI niji・journey
それは月が綺麗な夜のことだった。
柔らかな風が麦の穂を揺らし、さざ波のような音を立てている。
ふと、何かの気配を感じだ。
人とも獣ともつかない何とも実体のないそれが気になって、俺は小麦畑へと向かった。
そこには一人の青年が立っていた。
赤いターバンに白いマント、よく実った麦の穂のような柔らかな金の髪。
泥棒にしてはいささか派手すぎるいでたちだ。
「いいうさぎだ!うちにも1匹欲しいものだ」
どこか楽しそうに笑いながら農園のうさぎを抱き上げている。
盗人の類なら切り捨てよう、と思ったがうさぎは一向におびえる様子がない。
むしろ、どこか嬉しそうだ。
うちのうさぎは害意を持つ者には気を許さないはずだ。
ならば、と気を取り直して近くの小屋から出来たての麦酒を持ってきた。
「そこで何してるんだ?見ない顔だが、試作品の麦酒、飲んでいかないか?」
声をかけると彼は大分驚いたようで一瞬固まったが、すぐに人好きのする笑みを浮かべてジョッキを受け取った。
「おいらのことが見えてる?しかも引いてない?ありがたくいただくよ!」
渡す時に気付いたが、彼の手は白骨化していた。
美味しそうに喉を鳴らして飲み干された麦酒が胸の所からざばざばと流れ出している。
首から下は全て骨がむき出しになっていた。
ああ、これは……死者だ。
気付いて頭を抱えたくなった。
スケルトン?アンデッド?亡霊?
どれであってもろくなもんじゃない。
ろくなもんじゃないのに……。
嬉しそうに笑う顔を見ていると叩きだす気にもなれず、追加の一杯を勧めていた。
その亡霊は麦畑の中に座り込むと麦酒をちびちび舐めながら、これまでのことを聞かせてくれた。
そのたびに、肋骨の隙間から金の雫が流れて落ちる。
夢の話、旅の話、色々な事をとりとめなく話しているうちに俺はそのまま眠りに落ちていたようだった。
肌寒さに目を覚ますと、亡霊はまだそこにいてただぼんやりと月を眺めていた。
先程までの人懐こい笑みは姿を消し、遠くを見つめる視線はただただ寂しげに揺れていた。
そうだ、眠れないのだ。
アンデッドに眠りはない。
あるならそれは「永遠の」と但し書きがつくことだろう。
眠りの訪れない夜に酔えない酒を飲んで、それでも嬉しそうに笑って見せていた姿を思うと胸が痛んだ。
亡霊、なんかじゃない。
それは戦争に全てを奪われた被害者の一人だった。
名を聞いたら「ナーキアーチャだよ」と、笑って答えてくれた。

アーキナーチャ、どうか彼の行く末に幸あらんことを



ウェスティリアの亡霊 ナーキアーチャ
https://www.chichi-pui.com/posts/eb77ba2d-fbeb-48c1-a744-74e92eef2557/

こちらの亡霊さんがレスランドに遊びに来た日のこと(Twitter)をまとめさせていただきました。
他地域交流楽しいですね

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