『The・風流 in the Cat』【ニャンノ世界】
水面には鯉が泳いでいて、
猫はその鯉を見つめている。
自然の摂理か…猫はお腹が空いたので
肉球で魚に触れ、口を近づける。
ある種の罪が猫を覆った。
食さねば死んでしまうと、
だが、食物連鎖の過程には
抗えぬのだから、食べれば死んでしまうのだからと、日が沈むと同時に…
ご飯を食べた。
夕食である…
猫は噛み締める、口の中にある
かつて、生きていた魂を
噛んで噛み締めて
生を実感する。
人間は元来、生きてるということに
罪を抱くことがある。
猫もまた、そうであった。
動物の身なれど、時おり獣じみた
身勝手さが先行することがある。
そうした、猫の罪と獣としての
不条理さに苦しみながらも
ちびキャラの顔を見て、
今日も今日とて食べ物を食べる。
鯉を食べるのだ…
そして、明日も、そのまた明後日も
生きるために鯉を食らう。
きっと、頂きに立てど
こうした不条理は
生きてる限り
掴んで離さないのだろう。
だが、生きる猫は
大地を踏みしめて
風吹きすさぶ草の音を
聴きながら、風流感じる…
それが、生きてるものにとっての
力なのだと思うのだ。
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