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神無月二十二日の火曜日

鳥のさえずりの声で幻刃は目を覚ます。
何故だかとても清々しい気持ち。
今まで満たされなかったものが満たされた気持ちになる。
幻刃(ここは、彼の部屋?)
昨日のことを思い出そうとするが、思い出せそうにない。
ただ、体は何かされたような形跡はない...
あるとすれば、ヤマネが憑依した痕跡の気配と、霊力を分けてもらえた感覚だけだ。
気配を探ると、隣の部屋で執事だろう...寝入っているようだ。

幻刃(結局、、、お世話になりっぱなしでしたか)
恐らく、ヤマネとなにやらやり取りをしたのだろう。
幻刃の使い魔とはいえ、大妖怪であるヤマネだ。
しかし、安らかな気配から一悶着あったようではない。寝室の場も乱れた様子は感じない。
此度の混乱を、おそらくはなにやら手を打ち合ったのだろう。

幻刃(ここは、素直に感謝ですね...ありがとうございます♪)
気分が良いおかげか、ネガティブな思考にはならない。
すると、近くから何やら音が鳴り響く。
何だろう?音の所在地を調べる。震えているのか、振動音も聞こえる。

幻刃(なにかしら???これは)
それは、魔王女様から執事に渡された連絡用の携帯端末だ。
そうとはしらず、触っていると通話が繋がったようだ。
月美『ラーヴィ!!!こら!!アタシが2000回も連絡よこしたのになんででらんとや!!』
端末からは魔王女様の声が聞こえ、びっくりする幻刃。
幻刃「え?月美ちゃん??この手の道具から??」
携帯端末を触れるのは初めての幻刃は驚く。

月美『はぁぁぁ!!!まほ??無事なの???ぇ??てか』
驚く魔王女様。そりゃそうだ。何故執事が所持している携帯に幻刃が出るのか。

幻刃「ごめんなさいね、月美ちゃん。執事さんを長い間お借りしちゃって」
月美『いあああ💦そりゃよかけんど、アイツはどこに?ねぇ💦』
携帯越しに焦りまくる魔王女様。
月美(え?えええ??このシチュでまほがアイツの端末もってるってことは)
執事と幻刃のア サ チ ュ ン が脳裏をよぎり冷汗がにじみ出る。
幻刃「ええと、執事さんでしたら隣(の部屋)で寝ていますよ♪」

月美『と、、、、となりでぇぇぇぇぇ!?!?!?』
衝撃が走る。間違いない...それ朝チュンやんけ!?
月美(あんんんんんのやろぉ!?!?!?!?!?!?!?あんのやろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?)
激しく脳が破壊されている魔王女様。
幻刃「月美ちゃん💦どうしたと????」
そこは察せない鈍さをもつ幻刃。
まさか魔王女様がとんだ勘違いをしているとは露知らず。
月美『まほぉーーー!そいつ!すぐ連れ戻すから!!!!』
幻刃「ええ♪大丈夫ですよ♪ご用はすみましたし♪とても助けられましたから」
月美『なんもされてなかよねぇ💦』
幻刃「霊力を注いで頂いたことくらいかしら?とても助かりましたよ♪」

月美『マッハでいくぅぅぅぅぅ!!』
葵『お姉ちゃんどしたと!兄になんばあったと!』
椿咲『まさか!?まさかですの!?そんなぁ!?』
ミント『・・・ついていく!』
何やら他のメンバーの声も漏れ聞こえる...暫くすると通話が途切れる。
執事「んん???なんだ???騒がしいなぁ??」
幻刃「さぁ???それより、朝ごはん食べに行きますか?お礼させてくださいな♪」
執事「ん?大したことはしていないんだが、承知した」

この後の末路はまたの機会に☆
神無月の動乱編完

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