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ニンジンファミリーは、ニンジンに忠誠を誓うマフィアである。
組員の新入りは買い出しに行っていた。
ニンジン組の幹部、サリーと一緒に街中を歩く。

「なんだかデートみたいですね」

新入りはハハッと笑う。

「デートじゃねぇ、これはましてやおでかけでもねぇ、ただの、買い出しだ」

「すみません、自分の失言でした」

彼は頭を下げる。

「だが、街を歩けばいろんなものが見られるから俺は好きだ」

サリーは露店や行き交う人々、料理から漂う香りがたまらなく好みだった。

「俺は常に他の組との戦いに明け暮れてたからこんな平穏な日常ってのに憧れてるんだろうな」

サリーは感慨深く眺めている。
新入りは彼女の視線の先がチュロス

「チュロス食べたいんですね、買ってきますよ」

「べっ別に俺は買い出しに来たのであって、欲しいわけじゃないからな」

「食べたいんでしょ、なら、新入りの俺が買いに言ってきますよ」

「オリヴァー、おい!」

この幸せな雰囲気はお約束であるならば、
他の組員の銃弾が降り注ぐだろうが、
猫乃ワールドによって、
そのような展開は(今回は)ないので安心してくれ。

サリーは止める。
仮にも敵が潜んでる可能性だって、あるというのに、なぜ、ここまで他人のことを思いやれるんだ。

「はい!サリーさん」

「あっありがとうな」

新入りのオリヴァーから温かいチュロスをもらう。

「ほふほふ、美味しい‥」

サリーは舌鼓をうつ。
思わず、頬がふわふわする。

「サリーさんに喜んでもらえて嬉しいっす」

「はっいっいや、別に…俺はチュロス美味しかったわけじゃないからな!」

照れるサリー、部下のオリヴァーの
まっすぐな瞳にドギマギする。

「あのな、これ、」

「なんですか、ニンジン」

「お前に今できる感謝の気持ちだ」

「サリーさんのニンジンですか!嬉しいです!ありがとうございます」

オリヴァーはやったー!と喜ぶ

「おい!なめられたらいかんだろ、男はビシッとしとけ、」

「すっすみません、つい嬉しくてありがとうごぜーやす!」

「ふん、お前は可愛いやつだな、今度、ニンジンジュース奢ってやるよ」

2人は笑顔で町中を歩く、
ニンジンの買い出しをすませたら
ニンジンジュースで一杯だ。

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