聖女と交わる
「あ、あ、あっ……んっ、はぁはぁ……」
羞恥とも快感ともつかぬ控えめで断続的な喘ぎ声と、娘の秘部にあなたの陰茎が抜き挿しされる断続的で湿った音が、静かな寝室に鳴り響く。
天にも昇る夢のような、しかし、同時にとても切なく哀しい光景に思えた。ずっと憧れていた女性を、まさかこのような形で抱く事になるとは……
貧窮する孤児院の経営を存続する為に、彼女……シスター・グレースは秘密裡に自分の身を削っていたのだ。
彼女の美貌、気品、教養、人格、可憐さ、優しさはこの街に住む多くの者達が称賛している。出自こそ不明だが、さるやんごとなき身分の落胤であったとも。
子ども達と触れ合う様子や、ともに歌うその声の清らかさに多くの男達が魅了された。あなたもかくいうその一人だ。
仕事の関係で街の有力者と親密になったあなたは、ふとした酒の席で彼からこの話を持ちかけられたのだ。
「いつも世話になっているキミに、今度特別なプレゼントをあげよう。街でいつも評判になってるあの聖女な……実は抱くことが出来るんだ。代金が私が持とう!なに、遠慮はいらん!がははははは!」
愛想笑いで合わせつつも、突然突き付けられた彼女の真実に、あなたは眼の前が真っ暗になりそうだった。しかし、こんな機会はこの先、一生あるかないかだろう……
そして今、
「シスター……!シスター……!」
倫理的罪悪感と性欲的満足感の両方に苛まれながら、あなたはシスター・グレースの美しい肉体を犯し続けた。苦悶と快楽の狭間でどうにかなりそうな思いで。
「優しい方……良いんですよ。どうか、苦しまないで」
シスターの小さな手が、あなたの手を優しく握った。紅潮し、じっとりと汗に滲んだ顔が、蕩けるような紫の瞳であなたを見つめる。
「貴方のお顔は、覚えていますよ……いつも教会にお祈りに来てくれていましたよね?」
「シスター・グレース……」
「私は貴方の罪を赦します。貴方の欲望を受け入れ、抱き締めて差し上げます。痛みを感じている貴方の心の中に、"本当の愛"が隠されている事を……私の心が識っていますから」
その晩、あなたと美しき聖女は夜が明けるまで交わり続けた。
※ ※ ※
その後、何年か後に一代で莫大な富を築きあげた「とある紳士」がシスター・グレースの孤児院に多額かつ継続的な寄付をし、最終的に彼女を妻に娶った……という噂があるのだが、語り部はその真相を知らない。
呪文
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