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「なっ」ぼくは思わず息を飲む。「んだよ、あれは…浮いて…るのか?」
荒れ果てた廃墟の荒野に巨大な白い球体。ここから見ると接地していないように見える。かなり距離をとってはいるが、周囲には数多くの人や重機の影がある。「黄昏梟」の連中も到着しているだろうし、情報をかぎつけた「旅人」たちもいるだろうし、おそらくあそこに陣取っているのは「越夜隊」だ。
「本当に神でも孕んでそうに見えるな」ぼくはつぶやく。
「神なんてのは単なるレトリックだよ、スミヨシくん。どの神を採用するかにもよるが、基本的に超越性というのは現存しないから超越性なのであって、現存した時点で超越ではなくなるのだから」
「(はじまった)」
「だから神があるためには現存してはならないし、現存するならそれは神ではない。神がいるなら、神はない。神があるためには、いてはならない。背理のようだが、それが必然なんだ。三位一体だとかいうトリックでも使わない限りはね」
「じゃあ、神の繭とはいったいなんなんだ?」
「わからんが、その機能に準じて名前をつけるなら…」イーサーはため息をつく。
「つけるなら?」
「くそやば破壊兵器。最悪の場合はね」
ぼくはもう一度息を飲む。乾いた風は強烈でほとんど砂嵐に近い。だかそれを気にする者は少ない。それぐらいに目の前にしているものの迫力は甚大だ。
「といっても実のところわたしは未来永劫封印すべきなんて思ってないよ。別の可能性だって想定しえるからね。ただその神とやらのご機嫌がうるわしいことにベットして災厄の箱の蓋をあけるほど楽観的にはなれないというだけだ。まずは軽く打診してご機嫌をうかがってからでも遅くはないだろう? われわれがすべきことは」とイーサーは言う。「神の出生前検査さ」

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