【短編】グラビア事件【読み切り】
それは、この一冊のグラビア雑誌が発端だった。
「お兄ちゃん、何この雑誌? リビングに置いてあったんだけど」
妹は部屋に入るなりそう言って、その雑誌を俺の目の前に放り投げた。
「あっ、悪い悪い。ありがと」
「こんないかがわしいの読んでるんだね……。穢らわしい」
〈画像2枚目〉
「何だよ、そこまで言うことないだろ。俺が読んでるのはこの中のここの⸺」
「あー、はいはい。よーくわかりました。どうせ私みたいな貧乳にはそそられませんもんねー」
棒読み気味にそう言って妹は家を出ていってしまった。
「何だよあいつ」
翌朝。
「お兄ちゃん! 起きて! もう朝だよ!!」
「う〜ん……、ん?」
寝ぼけながら目をゆっくりと開く。
俺は体を揺すってきた妹を見つけて強烈な違和感を覚えた。
機嫌が直っていたのもさりながら、明らかに何かがおかしい。
「びっくりした? 実はあの後、街で凄くグラマーなお姉さんを見つけてね、首から下を交換してもらったんだ。お姉さんは『体が軽くなって助かったわあ』って喜んでた。これってWin-Winってやつだよね?」
そこには顔はそのままに、豊満な胴体を手に入れた妹らしき少女がいた。
〈画像3枚目〉
(と言うより、これはただのデブじゃん)
そんなセリフが口から出かかったが、被害者がさらに増えてしまいそうな予感がして、やめた。
サイズが違いすぎるキャミソールが窮屈そうに持ち上がって下乳がはみ出てしまっている。
それにしてもかなりの迫力である。
身長まで高くなってしまったようだ。
「ふふふ。もう朝ごはんできてるよ」
朝食を摂り終えて。
「おいおい、お前ホントにその格好で学校に行くのか?」
〈画像4枚目〉
「決まってるでしょ? 皆に見せびらかしてやるんだから」
妹はドヤ顔を決めて言う。今や我が物になった巨大な乳房を大事そうに撫でながら。
パツンパツンのワイシャツはそれを隠すのがやっとで、腹部の贅肉を隠す余裕を失っている。
俺はため息をついた。昨日の事といい、どうやら妹は小柄で華奢な体に相当劣等感を持っていたようだ。
「どうしようと勝手だけどさ、俺は返した方がいいと思うけどな。これから絶対大変だぞ?」
(おしまい)
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