仕事人
ここの会社、相当派手に地上げをしたようね、建てる時。この地に縛り付けられた彼ら彼女らの声を聞くに、まったく不憫というか可哀想としか思えないわね……だからこそ、痛みなく楽にしてあげるのがわたしの仕事。一瞬痛いかもだけど、我慢してね——。
最上階にも霊たちが縛り付けられてる……そりゃ事故も起こるはずよ、これだけの妖気——霊気があれば。仕方ない、一気に楽にしてあげよう。
しかし——共感を迫ってくるね、君らは……分かる、分かるよ、苦しい、痛い、怖い、憎い、憎い、憎い。
それは確かに事実。それでももう、終わったこと、感じなくていい苦痛。その痛み、いっそもうお姉さんに預けちゃえば? わたしはほら、慣れてるからさ。
おっと。朝が来たらこっちのもんでね。みんなに引導を渡さなくちゃいけないんだ。——そか。うん。じゃあ、君らが自分で始末をつけてる間、ここで待っとくよ。だって、最後の一人は嫌でしょ? それも、仕事だからさ。日、跨いだら二日分の日当かもしれないし——あ、いや、こっちのこと。
じゃあ、さよなら」
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