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目の前の光景が信じられない。俺は確実に、この女の顔面に対物ライフルの弾を当てたんだ。一瞬で首から上が弾け飛び、背後の壁に着弾した爆風で全身が砕け、瓦礫に圧し潰されて汚ねえ臓物をこびり付かせるのを目の当たりにした。塵埃がもうもうと舞って、あれで生きてる筈も無いと安心して接近し、戦利品にけったいな格好に澄ました面だった美人の成れの果て、血肉に埃が纏わりつくアバラの一本でも……と覗き込んだら、何事もなくあいつが無傷で立っていた。泡を食って銃を構えようとしても、見えない斬撃で手首の腱を切られ、瞬く間に形勢逆転、俺は無力化されてしまった。鮮血が手首から流れ落ちる以上に、頭から血の気が引いていくなか、某国が実用化させたというナノスキンの資料を適当に読み流してしまったことを後悔する。これがナノスキン……まるで、悪、魔──

あの女が物騒な狙撃手の首を難なく、涼しい貌のまま刎ね落としたところで俺は観測を終えた。俺の目にも、あの女の顔面に50口径の対物ライフルの弾丸が直撃したとはっきり観て取れた。ところが結果はこうなった。恐らくだが、俺もあいつも視覚情報を乗っ取られ、爆散即死したものと誤認させられた……と推測する。しかし先に接触した自分はともかく、ほぼ接触した筈もないあいつの認知をどうやって歪ませたものか。それに、そうだとすればあの女は音速を超えるライフル弾を直撃寸前で避けた、ということになる……いずれにせよ、ナノスキンは俺等の界隈の常識を、人智を超えた技術だということを思い知った。女が散歩を終えて帰宅したかのように戻ってきた。何食わぬ顔で女を観察すると、後頭部の、埃も被っていない艷やかな銀髪の隙間に、血腫のようなものが確認できたが、その途端、髪に隠れて消えてしまった。ナノスキンについての触れ込みにこんな噂があったことを思い出す。曰く、首がもげても再生してしまう……だとしたら、そいつの記憶は?自我は?それは人間か?、助手席にて微笑を湛える女への恐怖ともつかぬ違和感に苛まれ、俺はハンドルを握る掌に嫌な汗を滲ませながら予約されたホテルへと車を黙々と走らせた。

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こういうグロテスクが好みなのだが、こういう世間一般にちぃとも刺さらない嗜好の作品なんか滅多にお目にかかれない。なので脳内イメージの解像度を上げに上げてくれるAI画像生成は素晴らしいのである。

呪文

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