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大婆銀狐と武将の子孫の会食

使用したAI NovelAI
「本日は、お招きありがとうございます」背広の紳士が大婆銀狐に挨拶する
「おお、来たか! 斎藤三郎殿! 市長になったそうだな」
「市長になったのは20年も前ですよ。それに私は弘、斎藤弘ですよ」
「ああ、そうだな。そうであった」大婆銀狐の顔が少し赤らむ。姿は白い服の銀狐の少女だ。
1000歳を超える銀狐なのにあまりに初心な表情にドキリとする。
分かっている。わざとボケているのだ。本物の斎藤三郎は750年前に他界している。
私は大昔の討伐側の武将 斎藤三郎によく似ているらしい。
大昔、大婆銀狐は悪事が過ぎて討伐されそうになった。
その際に討伐側の大将斎藤三郎が、あろうことか大婆銀狐に一目ぼれをした。
斎藤三郎は何度も除名嘆願を朝廷に掛け合い、銀狐を討伐しない代わりに土地神になり、それを斎藤三郎が監視することで決着した。

以来、800年。稲荷市となった街は繫栄し人も増えた。
災害や飢饉があっても、この地は被害が非常に少なかった。
特に大戦末期、多くの軍需工場のあった稲荷市は10回以上も空襲を受けたが、被害はほとんどなかった。
爆撃機は確かに爆弾を投下しても、多くが剃れて山に落ちたり不発だったりしたのだ。
パイロットの話では稲荷市上空に来るといつも濃霧で、本当にいつの間にか目標を見失うと言う。
濃霧、それは大婆銀狐の妖力に違いないだろう。

討伐側の武将の子孫は、大婆銀狐を監視しつつも稲荷市をしっかり守っていることに感謝している。
本当は、拘束など大昔にとっくに切れていて逃げてもいいのに律儀にこの地に残っている。
見た目は少女のような銀狐に見える大婆銀狐だが、1000歳を超える妖怪であることは間違いない。
そのために市長である斎藤弘は、土地神である大婆銀狐に敬意を払い会食には必ず参加するのだ。
武将の子孫には、銀狐と夫婦になった者もいる。ハーフも珍しくはない。
銀狐は、耳と尾さえなければ男女ともイケメンなのだ。
800年前の武将を思う土地神とそれを監視する人間の不思議なお話。

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