泣く幼女
「帰りたいの! 帰りたいの!」
それに母親が答える
「お腹が痛いの? どうしたの? じゃあ家に帰りましょうか」
幼女は主張を続ける
「帰りたい! 帰りたい!」
それに答える母親
「ハイハイ帰りましょうね」
幼女は一呼吸おいてから大きな声で言った
「違うの! 元の世界に帰りたいの!」
母親は悟り、そして語り掛けるように言った
「元の世界……ね。 この世界だって素敵なところじゃない。今の戦争が終われば幸せに暮らせるわよ」
(いくらフェンテスの技術力が高いといっても、次元超越なんてできるわけないじゃない。そりゃ私だって、できる事なら……帰りたいけど)
―――――――――――――――――――――――――――――――――
研究室で研究者は熱い心を秘めていた
やってやる
フェンテスはすでに空間超越の技術は持っているんだ
まずは時間超越の技術を開発して、時空間超越装置を作る
そしたら、次に時間と空間と世界の壁の3つを抜ける次元超越装置を作ればいいんだ
とても困難な研究になるだろう
でも、できるかどうかじゃなくて、できるまでやるんだ
この壮大な研究が達成できたら、
みんなでおうちに帰ろう
呪文
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