『オイカケルヨ』【ニャンノ世界】
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ある日のこと、
ワタシは気色の悪いユメをみた。
空は赤く、森は黒く染まり、
木々のざわめきが、さながら、
誰かの笑う声に聞こえて気色が悪い…
はやくここからでたいと思い
歩いていると、今とは違う古き良き日本家屋が、何軒か立っていました。
いや、古き良きといいますが…
本当に日本文化もまた、西洋文化のようにどこか歪な部分が現れていたのだと、
考えると、古き良きとは思えないのです。
私はその家々に訪れたら、
なんとかなるのではないかと
近づきます…
しかし、人の気配はない
廃墟だということに気付きます。
ここがどこかの廃村だということを
知ったとき、私の背筋はぞぉっとしたのです。
そんな私の恐れは、この認識だけに止まらず、背後から、人の気を感じ、
おそるおそる…ゆっくりと振り返りました。
「ヘヘヘヘヘヘ…」
それは、この世の者ならざる存在だと、私は察知し、逃げました。
あれが、生者であれ、何であれ、捕まってしまえば、帰れないと思うほどの脅威でした。
必死に逃げました…、私はとにかく、逃れたい一身で走っている。
だけど、一向にオイカケルヨからの距離が開かないのです。
気色の悪い雰囲気に苛まれながら、橋にさしかかると、その先はもう、道がないのです。つまり、橋が壊れていたのです。この、状況下で、私は絶望、しました。
あぁ、生物の死というものを見たことはあるけれど、自分の死というものは、まさしく、このような、逃れられない状態を指すのだなと我が身の終わりを感じました。
羽など飾りです…猫天使というけれど、 その世界ではズッシリと重くのしかかって飛べないのです。その翼は蝋でできていたのでしょうか…わかりません。
しかし、捕まりたくはなかった…第6感でそう、呼び掛けているのです。
ヤバイ、これは危ないのだと…ならば、奈落に落ちよう…
私は眼前に見える奈落へと落ちました。
迫り来る、あの女の顔は、そこで途切れました…しかし、カノジョは生物の死の瞬間すらも悼むことなく笑っていたことを私は覚えています。
目が覚め、夢だと気づきます…しかし、汗はだらだらで、キミノワルイユメであったことを覚えています。
この夢を構築したのは脳が見せたものでしょうか。あるいは、何か別の存在が眠ってる時に入って、私を引きずり込もうとしていたのではないかと…
私はあの時の夢を今でも覚えています。
赤い空に、黒く染まった森、廃村、そして、笑う白い服を着た女性、脳の中の虚構が作り出したものならば、それはフィクションで片付けられますが…、私はあの夢を、私ではない何かによって構築された空間だったのではないかと感じるのです。
最後に、もし、あのとき、奈落に墜ちるのではなく、捕まっていたのならば、私はこの世にいたのでしょうかと思うのです。
(猫メモ)
この夢はあまりにも怖すぎて印象に残ってた夢なので、こうして、『夢見る』企画で作品にすることができて、達成感があります。
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