さあ下僕よ、行くぞ! (剣道部主将)
全国の勝抜き戦では、くじ運の無さで一回戦で前年の優勝者が従姉弟の相手になってしまった。(くじは俺が引いた)
俺は従姉弟に謝ったが、薄笑いをしていた。既に試合の事を考えている戦闘狂のヤバイ顔だった。
結果は、試合定刻5分以内に有効打突が出ず、3分の延長戦となった。
それでも有効打突が出ず、結局対戦相手の判定勝ちとなった。
以外だったのは試合後、勝った相手が審判に異議申し立てをしたことだった。それも遠くからでもかなり感傷的に見えた。半分泣いていた。
従姉弟はと言うと、涼しい顔でコンビニのお握りをパクついていた。
「おい、相手強かったのか?」俺は小声で尋ねる。
「なんだ下僕よ、凄く強いに決まっておろう? 去年の優勝者だぞ」従姉弟は3つ目のお握りを食べ始める。
「対戦相手の子、泣いてるぞ。何やったんだよ?」俺の声が更に小声になる。
「なんもしとらんよ。ひたすら避け続けた。何回かいい突きがあったが、避けた。時間を延ばして相手がへばってから一本と思ったが、こっちもエネルギーが切れた。執拗に攻撃してくるあやつは強いぞ」
「で、判定負けか・・・。攻撃してないなら仕方ないか・・・」なぜかホッとする俺。
「いや、我は当ててるぞ。籠手に2回かな」ヤバイことをサラリと言った。俺の眼が丸くなった。
「おいおい、審判は有効判定してないぞ」
「下僕よ、まわりを見ろ。凄い殺気がある。まさか一回戦で前年の優勝者が無名学校に敗退ではいかんだろう」
えっと思って周りを見た。見たとたん目を逸らす者が多くいた。でも、この殺気俺あてのような気がする。
ああこれ、男の嫉妬だあーキモイー。隣のハゲもとい、三浦先生も同じ妙な顔をしている。
これは従姉弟あての好意の視線だ。気付かないのは本人だけなのだ。鈍感極まりないアホの子。
後日、大会本部から三浦先生宛に通知が届き、従姉弟に何か通知したが従姉弟は何も言わなかった。
ただ、魔王のような勝ち誇ったような顔は忘れられない。
と言うことで、なんかの大会の招待選手として本日、東京に行く。顧問としては下僕もとい、マネージャーの俺同伴が条件だったらしい。
従姉弟は、本当に食い物と剣道があればいいらしい。まあ、いいか・・・。
呪文
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- Strength 0.8
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