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諸事情を完了し、無事皆帰福する。
それぞれ休息の間、見回りの執事はバルコニーで佇む主の魔王女様を見る。
執事(?)
気になり、見回りを一時他の兵士にお願いし、魔王女の元に行く。

月美(...打ち明けるの早計だったかなぁ...)
眠れない月美はバルコニーで考え事をしていた。
執事の目的地、『禁断の聖域』への旅の支援。
要らぬ支援だろうか...余計なお世話だろうか...
自由を奪うことになるだろうか...迷惑じゃないだろうか...
それに、魔王女である責務をさておいて、一介の傭兵である身分の執事に固執していいのかだろうか。
そして、愛してしまっている。いいのだろうか。
18歳の身には、過負荷だろう。だが、魔王女様、月美は自らの意思で懸命に事を全うし、無事勤めを納めていた。
思慮を巡らせるうちに、傍にきた執事に気づく。
月美「ん?どした?」
執事は笑顔の月美を見て溜息を吐く。無理をしているのは明らかにわかる笑顔だった。
執事「...無理し過ぎだろ?」
月美「ん?これしきで無理なら、今後は務まらん」
執事「いやな?それで御身を疎かにされたらな。しかもなぜ僕の目的を支援をするんだ?」
執事には、月美は無理をして支援をしようと、自らを酷使しているように映ったようだ。

月美「アンタを愛してるからじゃダメ?」
溢れる涙。昼も光った雫は今はあふれていた。
月美「葵、椿咲もやけど、幼馴染のミントもさ...皆真剣にアンタを愛しとーとよ」
執事「死地に連れて行けと?」
月美「皆覚悟の上よ...悪いけど、死ぬ気もないが、手伝う気満々なんよ」
秋の風が通り抜ける...
呆けた執事、涙があふれる魔王女様。
月美「皆を代表してなんて、大げさかもやけどさ...あの子達も覚悟してる。お願い」
執事は考え込む...だが、月美は皆の意思を伝えたいとの必死さに...今までにない、意思の強さ、真剣さを感じる。本気だろう。だが、死地に皆を連れて行く?
それは絶対拒否したい所存だ。
答えに至るまで考えは纏まらないが、今確認したいことは確実にある。
執事「...本気か?」
月美「うん」
当人たちが、本気かどうかだ。。。
こればかりは、否定ができない。
執事「.......わかった。なら、どんなことがあっても皆を守り、僕の目的を果たそう」
月美「!?よかと?」
折れた...というよりは、覚悟を決めた感じを、執事と月美はお互い捉える。

月美「よかったぁぁぁ...」
泣き伏せる月美。慌てる執事。
執事「!!!どうした?」
月美「だって!だって!!!!アンタ!勝手に出ていくのも怖かったぁ!そして、ついていくのも拒否されるのも怖かった!こわがっだぁ!」
泣きじゃくる月美。
執事「...大丈夫か?」

月美「大丈夫じゃない...ほんとさ、アンタに意識フルやき...」
途端にあふれる涙。今までの緊張?勤務の疲れ?
分からないが、ものすごい泣きじゃくる月美。

月美「言質取ったき?絶対ついていく気?」
執事「...泣くな...いや、僕が原因なのか?何故僕に皆執着する?」
月美「馬鹿...言わせんな...そやね、アンタが朴念仁でたらしでどうしようもない悪男は間違いないけんどさ」
泣きながら、答える。
月美「悔しいけれど、アタシも、椿咲、葵、ミントはアンタを愛しとーと。それしかなかと」

月美は禁断の聖域の手伝いを確実に協力関係を築いた。

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