どうも! 黄泉の国郵便です!
そいつは突然やってきた。ゴスロリの服に背中に黒い翼まで付けていた。
どう見ても普通ではない。コスプレにも限度がある。
「ああ! ドア閉めないで! 決して怪しい者ではありません」
「十分に怪しいだろ! ゴスロリの服着て背中には黒い翼か? 警察呼ぶぞ!」
「呼んでも良いですけど、携帯繋がりませんよ」しれっとゴスロリ女は言った。
慌てて携帯を見ると圏外になっている。おかしい、ついさっきまでチャットしてたのに・・・。
ゴスロリ女はドヤ顔になると言った。
「黄泉の国(死者の国)に行かれた人に手紙書きませんか?」
「はあ?」
当惑する俺に彼女は説明する。
彼女は死神の見習い学生で講義に「黄泉の国(死者の国)に行かれた人に手紙を届ける」と言う科目があるそうな。
ああ、もちろん講義なんで郵送料は無料らしい。
もし、気に入ったら2回目も可能だがそれは有料になる。俺の残りの寿命、30日分が代金になる。
なんだ結局、体で払うのかよ・・・でも、断れなかった。
嘘でもいい、半年前に事故死した母親にお礼が言いたかった。
母子家庭でも俺を大学まで行かせてくれた。
地方公務員試験に合格して就職も決まったのに、俺の大学卒業式の一ヶ月前に事故死したのだ。
轢き逃げだった。暫らく生体反応があったので即死ではなく、手に血塗れの携帯が握られていたと言う。
母親の生命保険から2000万円の死亡保険金が出た。あの苦しい家計で俺支払いの保険金をかけていたのだ。
興信所にも依頼したが、犯人は特定できていない。
雨が降っていた日は物的証拠が流れる上に、目撃者もいないことが多いので難しいと警察と同じことを言われた。
死んだ母親と文通できたらひき逃げした車の犯人がわかるかもしれない・・・・。
のうのうと暮らしているだろう犯人に、復讐という言葉が頭を過った。
はっと思い、頭を振った。おいおい、今俺は何を考えた?
死神見習いの彼女の顔がゆっくり歪んで不気味な嘲笑をした。
俺は死神に魅入られたのだろうと思う。
呪文
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