南の国で長期休暇・10
14日目
あの子は来なかった
・・突然になっちゃったからなあ・・申し訳ないことをした
15日目の朝。荷物をまとめて、村長に挨拶
滞在中の厚情に礼を言い、立ち去ろうとしたところで、
「あの子から、森の奥で待っているから来てほしい、と伝言だ。もし、君にその気があるなら、だけどな」
これがゲームなら、二択が出る場面だろうな
もちろん断る理由はない
あの子がいた
「来てくれた・・よかった」
彩やかな衣装と、煌びやかな装飾、そして独特の化粧。綺麗だ
「これ、お母さん、そのお母さん、ずっと前から伝わったドレス。すごく大事なセレモニーでしか着ない。えへへ」
つまり、あの子がどんな覚悟で待ってたのか、さすがの俺でもわかる
「それで・・えーと・・あのー・・・・これ、読んで」
手紙が差し出される
がんばって書いたことがわかる、たどたどしい漢字とひらがなで、短いプロポーズの言葉
・・はい、喜んでお受けします
「! やったぁ・・」
とは言うものの、以前に村長から聞いたように、まだ彼女は結婚の条件を満たしていない
「だから、約束、ね? がんばってメールするから、忘れないでね?」
・・え、この村、ネットできるの?
あ、そういえば、宿の手配の依頼は、村長とネットでやりとりしてたっけ・・・・
「サテライトのネットワークあるけど、村のコンピューター、村長の家だけ。つながりにくい、ムービー無理。
だけど、メールはできるから、みんな村長の家に行く」
便利な世の中だな。文明バンザイ
でも、村長の監視下だから、あんまり恥ずかしいメールとかは無理だな、うん
「///」
昼、半月にわたって滞在した村に別れを告げた
彼女は見送りに来たがったが、あえて断った
https://www.chichi-pui.com/posts/a6bff0f6-a476-4700-acbf-d84bcbd9f9f7/ に続く
呪文
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