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Untitled 2024-03-14

使用したAI NovelAI
それから僕と絢奈は、繁華街の街並みを無言のまま歩き続けた。寒空の下で繋いだ少女の指は、氷のように冷たい。

父親が待ち伏せしている可能性を考えると、自宅に戻るのはリスクが高すぎた。かといって、この時間帯にどこかへ入るには、僕たちの組み合わせはあまりにも不自然だ。

行くあてもなく彷徨う僕たちは、人気の少ない路地にあるラブホテルへと足を向ける。

「先生……。わたしの話、聞いてもらえますか?」

ベッド脇に据えられたテーブルにつくと、絢奈は固く結んだ指先を見つめながら、淡々と話し始めた。

幼い頃から、父親に性的ないたずらを受けていたこと。
僕が担任に就く少し前に、レイプされたこと。
母親は助けてくれるどころか、自分を見捨てて出ていってしまったこと。

……今もなお虐待は続いており、夜ごと彼に犯されていること。

「先生に、お願いがあります」

僕のことをまっすぐ見つめながら、彼女は言った。

「わたしと、生でしてください」
「絢奈、それがどういう意味か……」
「あの人は、わたしを妊娠させようとしています」

発せられた言葉に、思わず絶句する。

「ずっと、言われてたんです。初潮がきたら、子供を作ろうって」
「早まっちゃ駄目だ! そんなことすれば、絢奈だって……」
「もう、これしかないんです!!」

涙を湛えた絢奈が、自らの感情を爆発させた。

「父さんに連れ戻されたら、わたしは今度こそ妊娠させられる。だったら、それより先に先生に孕ませてもらうしか、ないじゃないですか……」
「だからって、こんなやり方……」
「あの人の子供を身ごもるくらいなら、死んだほうがマシです」

はっきり言い捨てると、備えつけられたバスルームへ向かって歩きだす。

「お風呂に入ってきます。出てくるまでに、覚悟を決めておいてください」
「待って、絢奈!!」

追いかけようとした拍子に、机に置かれた絢奈のスマートフォンが床に落ちた。拾いあげた拍子に、液晶の画面が点灯する。

「この、写真は……」

そこに表示されていたのは、帽子をかぶってよそ見をしてる僕の写真だった。林間学校で引率へいったとき、たまたま写りこんでしまったものを、無理やりに引き延ばしたであろうぼやけた写真。
思えばあの子は、いつだって僕の写真をスマホに収めてた。もしそれが、逃げ場のない家の中で彼女が自分を保つための拠り所だったのだとすれば。

「……っ、う……くっ、あ、あぁぁ……っ」

絢奈と過ごしてきた思い出が、次々と脳裏をよぎっていく。
彼女のことを助けたい。例え、どんな犠牲を払うことになったとしても。伝う涙を拭うと、僕は彼女を救うための決意を固めるのだった。

呪文

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