オリジナルノベルシリーズ 第2弾 SINGLE AGAIN 第3話 忘れられぬ記憶
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その他
第3話 忘れられぬ記憶
愛車を走らせること20分、自宅マンションに到着。
日没前の時間だが雨雲が空を覆いいつもより暗い夕暮れ時だった。
美嶺はシャワーを浴び、軽い夕食を済ませた。
今日は何をする気も起きない、しかしながら眠りにつくにはまだちょっと早すぎる。
ネットのニュースサイトをチェックしてもこれといって面白いニュースもない。
美嶺にとっては特別な日なのだが世間的には平和な一日だ。
「今日は飲もうかな・・・」
思い出したように美嶺はワインのボトルを取り出し、グラスにワインを注ぎ込む。
そして、ただひたすら飲み続けた。
晩酌と呼ぶには時間が早いが、すぐにボトルは空になった。
ほろ酔い気分となった実嶺は無意識のうちにベッドで横になってしまった。
ベッドルームに置いてあるフォトスタンドにはお気に入りの1枚の写真がある。
結婚直後に撮ったもので、貴司に抱き上げられている写真だった。
身長172cmの美嶺を軽々と抱き上げる3歳年上で身長190cmの貴司。
開業外科医の跡取り息子であり、大学時代は柔道部主将を務め、一時はオリンピック代表選手候補にも
なったほどの強豪選手でもあった。
モテる要素満載の貴司と結ばれた美嶺の表情は幸せに満ち溢れていた。
その写真を見つめると同時に思い出す後悔の念。
美嶺は離婚の決定的瞬間をまた思い出すのだった。
不意に訪れた別れ、それは何気ない日常の行き違いから生まれた。
これまで数えきれないほどしてきた夫婦間のセックス。
そんなセックスが別れの原因になるとはその時全く想像できなかったのである。
その日、先に帰宅していた美嶺は貴司の帰りを待ちわびていた。
夜勤続きだった貴司が帰宅するのは三日ぶりのこと。
美嶺は溢れる愛情を抑えられずにいた。
それから間もなく貴司が帰宅、食事と入浴を済ませ、共にベッドルームへ
性欲が抑えられない美嶺とは対照的に貴司は疲労困憊であった。
「あっ、ああ、気持ちイイ、おチンチン大好き・・・」
大興奮の美嶺とは対照的に貴司は沈黙を保っていた。
派手に喘ぐ美嶺と淡々と体を動かす貴司。
貴司は程なくイってしまい、まず1ラウンド終了した。
「まだ物足りなーい、もう1回しよ？」
美嶺はすかさずフェラチオを始め貴司を元気づかせようとした。
そこで貴司は重い口を開いてこう言った。
「美嶺、お前が俺に求めるのはセックスだけか？」
「・・・？」
美嶺は何を言っているのかさっぱりわからなかった。
「そんなにヤリたいんだったらセフレでも作ってヤッてろよ！今の俺に1日2回もヤッてる余裕なんてないんだ！」
「ここ数か月まともに休みも取れてないのは知ってるだろ、お前は俺を早死にさせたいのか！」
普段温厚な貴司が激昂した。
「そ、そんなわけないじゃない、私はただ貴司さんとセックスしたいだけなのに」
「それに安っぽいセフレなんて興味ないの、すぐに飽きちゃうだけ」
「そうか、それが答えか」
「お前には俺を労わる気持ちが微塵もないのだな・・・」
貴司は神妙な面持ちで言った。
そしてベッドルームを出た貴司は突如普段着に着替え始めた。
「え、貴司さん・・・、どういうつもり？」
貴司の予想外の行動に美嶺は思考が追い付かない。
着替えの済んだ貴司は財布とスマホを手に取りそのまま玄関へ、そしてドアを開けた。
美嶺はようやく貴司の決意を悟った。
「ま、待って！お願い、出ていかないでェェ！」
全裸状態の美嶺は玄関で立ち尽くすしかない。
美嶺の叫びも虚しく、貴司は無言を貫いたまま自宅マンションから出て行ってしまった。
第4話へ続く
愛車を走らせること20分、自宅マンションに到着。
日没前の時間だが雨雲が空を覆いいつもより暗い夕暮れ時だった。
美嶺はシャワーを浴び、軽い夕食を済ませた。
今日は何をする気も起きない、しかしながら眠りにつくにはまだちょっと早すぎる。
ネットのニュースサイトをチェックしてもこれといって面白いニュースもない。
美嶺にとっては特別な日なのだが世間的には平和な一日だ。
「今日は飲もうかな・・・」
思い出したように美嶺はワインのボトルを取り出し、グラスにワインを注ぎ込む。
そして、ただひたすら飲み続けた。
晩酌と呼ぶには時間が早いが、すぐにボトルは空になった。
ほろ酔い気分となった実嶺は無意識のうちにベッドで横になってしまった。
ベッドルームに置いてあるフォトスタンドにはお気に入りの1枚の写真がある。
結婚直後に撮ったもので、貴司に抱き上げられている写真だった。
身長172cmの美嶺を軽々と抱き上げる3歳年上で身長190cmの貴司。
開業外科医の跡取り息子であり、大学時代は柔道部主将を務め、一時はオリンピック代表選手候補にも
なったほどの強豪選手でもあった。
モテる要素満載の貴司と結ばれた美嶺の表情は幸せに満ち溢れていた。
その写真を見つめると同時に思い出す後悔の念。
美嶺は離婚の決定的瞬間をまた思い出すのだった。
不意に訪れた別れ、それは何気ない日常の行き違いから生まれた。
これまで数えきれないほどしてきた夫婦間のセックス。
そんなセックスが別れの原因になるとはその時全く想像できなかったのである。
その日、先に帰宅していた美嶺は貴司の帰りを待ちわびていた。
夜勤続きだった貴司が帰宅するのは三日ぶりのこと。
美嶺は溢れる愛情を抑えられずにいた。
それから間もなく貴司が帰宅、食事と入浴を済ませ、共にベッドルームへ
性欲が抑えられない美嶺とは対照的に貴司は疲労困憊であった。
「あっ、ああ、気持ちイイ、おチンチン大好き・・・」
大興奮の美嶺とは対照的に貴司は沈黙を保っていた。
派手に喘ぐ美嶺と淡々と体を動かす貴司。
貴司は程なくイってしまい、まず1ラウンド終了した。
「まだ物足りなーい、もう1回しよ？」
美嶺はすかさずフェラチオを始め貴司を元気づかせようとした。
そこで貴司は重い口を開いてこう言った。
「美嶺、お前が俺に求めるのはセックスだけか？」
「・・・？」
美嶺は何を言っているのかさっぱりわからなかった。
「そんなにヤリたいんだったらセフレでも作ってヤッてろよ！今の俺に1日2回もヤッてる余裕なんてないんだ！」
「ここ数か月まともに休みも取れてないのは知ってるだろ、お前は俺を早死にさせたいのか！」
普段温厚な貴司が激昂した。
「そ、そんなわけないじゃない、私はただ貴司さんとセックスしたいだけなのに」
「それに安っぽいセフレなんて興味ないの、すぐに飽きちゃうだけ」
「そうか、それが答えか」
「お前には俺を労わる気持ちが微塵もないのだな・・・」
貴司は神妙な面持ちで言った。
そしてベッドルームを出た貴司は突如普段着に着替え始めた。
「え、貴司さん・・・、どういうつもり？」
貴司の予想外の行動に美嶺は思考が追い付かない。
着替えの済んだ貴司は財布とスマホを手に取りそのまま玄関へ、そしてドアを開けた。
美嶺はようやく貴司の決意を悟った。
「ま、待って！お願い、出ていかないでェェ！」
全裸状態の美嶺は玄関で立ち尽くすしかない。
美嶺の叫びも虚しく、貴司は無言を貫いたまま自宅マンションから出て行ってしまった。
第4話へ続く
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