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順番に執事とペアで気球に乗ることになったミントと椿咲。


ミント「うっわぁぁっぁ♪素敵♪周りの気球も綺麗だけれど、この浮遊感!」
初めて乗る気球からの景色にミントは感動する。
執事「僕もさっき葵と乗ったが、この浮き上がる感覚と風にゆだねる心地よさがたまらないな」
ミント「秋の風もとても心地いいわ♪これが空なのね」
乗り物で空を飛ぶのは初めてではないが、バルコニーから体は露出していることから、空との一体感が全く格別である。
ミント「ふふ♪このまま二人でどこか行きたいけど、戻らなきゃだね♪」
半ば本気、でも、戻るのも本気なミント。執事は静かに頷く。


椿咲「ああああ♪とても素敵...今までと全く違いますわ♪」
子供の頃に何度か乗った経験はあるが、邪神から解放された椿咲は改めて感動する。
椿咲「あら♪あの気球の方♪こちらに手を振られてますわ♪」
手を振り笑顔で返答する椿咲。そのしぐさは笑顔と至福に包まれていた。
椿咲「...本当に、こんな世界に導いて頂けて、ラーヴィ様、葵にお姉様、ミント、ルミィアに大勢の方々(ちちぷいフレンズ)に、ずっと感謝尽きませんわ♪」
執事「感謝疲れしないようにな。皆、椿咲が健やかで元気なのがうれしいのだから」
椿咲「ふふ♪そうですわね♪本当に今年は、素晴らしい1年で終われそうです」
そっと、執事に身をよせる椿咲。わずかに感じ取れる心音の鼓動は徐々に早まっているのを執事は感じ取る。
椿咲「...今度、また貴方様とお出かけしたいですわ♪」
執事「承知した、エスコートは任せてくれ」
椿咲「♡ん」


月美「ん、お帰り♪どうやった?気球の体感は♪」
執事「正直すごくよかった。開放感がとてつもないな」
月美「ふふふ♪体むき出しだからねぇ♪あの一体感癖になるんよね♪」
魔王女様は書類等を捌きながら笑顔で応答している。
執事「月美は乗らないのか」
月美「まぁね、いちおスポンサー代表として来てるし要人の応対もあるし♪なんなん?乗りたかった?アタシと♪」
執事「一緒に乗りたいかは別として、息抜きはたまにはしておけよ?最近根詰めすぎてないか?」
月美「ふ~ん、心配してくれとる??」
執事「大なりにな」

月美「今年のラーヴィの働きは大儀だったわよ♪アリガト...皆を笑顔にしてくれて」
自愛の微笑みを向ける。その先には愛する妹の椿咲と葵が気球を眺めながらスィーツを堪能していた。
執事「僕は特に...成すこと成せることをしたまでだ」
月美「特に、椿咲の時は肝冷やしたけど...結果こうして皆で過ごせているのはラーヴィのおかげよ」
執事「...」

月美「んでさ、もう伝えておくわよ。ラーヴィ、アタシ達は貴方の旅を支援するからね」
執事「?支援...だと?」
月美「禁断の聖域の捜索、付き合うわ。4人そろってね」
執事「馬鹿な...この国をほおって行くのか?アンタは?それに葵にミントに椿咲まで巻き込んで?」
流石に動揺する執事。何を言っているのか?
月美「そのために色々準備は進めている。だからお願い。アナタの旅に同行させて」
魔王女様の懇願...笑顔で言っているが、若干体は震えている...

少し目線を執事から離す...瞳からはうっすら涙が光って見える...
月美「やき・・・お願い...勝手に出て行かんでね?お願い...」
鼻声交じりに月美は語り終える。執事は無言で頷く...
外堀はこうして埋められつつあった。

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