特殊能力庁異能部皇城警備課 (桜の子)
半ば誘拐のように車に乗せられ、特殊能力庁異能部に向かった。
官庁街に行くと思ったら、車はそのまま皇城に入った。あの皇主様のいる場所だ。
話はよくわからなかったが、私は正式に軍に所属して特殊能力庁異能部皇城警備課という皇城内の組織に配属されると言う。
皇城内には近衛師団もいるが、独立組織なのだそうだ。
私の季節を替える異能が評価されたらしい。範囲は他の人の異能力を借りれば数十キロまで拡大できるとか。
皇城警備課というだけあって皇城の結界を維持し、かつ式神で防御するという。
それに天候も加えるという。その中心となるのは私の異能らしい。
両親は、前線に出ないというだけで喜んでいた。ただ、秘匿組織のため皇城に住む必要があると言われた。
友人たちは、次々と前線に出て行っている。連絡のなかった転移異能の友人の戦死報告が昨日届いた。
私の階級は特務少尉となった。将校としては最下位だが、一応は将校になる。民間人から将校になると特務と付くそうだ。
正直、前線に出ないと知って安堵したのは本音。周りの人たちは皇城勤務というだけで驚いていた。
ずっと勉強は中の下、運動は最下位、容姿だけは良いんだけどねとずっと言われ続けた私が初めて正しく評価されたのが異能とは皮肉でしかない。
以前は地元のお祭りで桜を咲かせるイベント要員だったから。
でも、その異能で人生が変わった。以前私に皮肉を言っていた連中は、もうこの世にいないのだ。なんかスッキリした。
今後、本当にこの戦争がどうなるかは分からない。
本当に春は来るのだろうか。私には分からない。
それから、自分の親くらいの年齢の人からも私の階級を見て敬礼されるのはまだ慣れない。軍は階級が凄いんだよね。
ああ、そうそう「桜の子」と呼ばれる私の名前は、加藤晴美と言います。名前も平凡そのものなんだよ。
※3か月後、ヒノイとフェンテスは双方とも甚大な被害を受け停戦する。仲介はセントレイクが行った。
特殊能力庁異能部皇城警備課は近衛師団が壊滅した後も独力で皇城を守り切った。
強力な結界と強襲型式神と皇城のまわりを常に暴風雨にし、フェンテスは最後まで接近できなかった。
加藤晴美はこの功績により皇主から称賛され異例の3階級特進し特務少佐となったが、それはまた別のお話。
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