メカ歌姫広報ポスター (アイドル担当機械化歩兵)
「少佐、本当に造ってしまったんですね・・・」谷澤中尉が笑っている。でも目が笑っていない。
「だって仕方ないだろう? 予算不足とか言って頓挫させるつもりだったんたが総務省が予算負担すると言うしさ」
あれから本当にトントン拍子に話が進んで「メカ歌姫」として3体のアイドル担当機械化歩兵を新設し広報を行う。
それだけなら予算的に厳しく活動範囲は広報のみの予定だった。
それが総務省からの依頼でアイドル担当機械化歩兵を近衛師団に警備要員として一個小隊派遣してほしい旨の依頼だった。
それも国主儀仗兵部隊、国主に最も近い位置にいる部隊である。特別予算は総務省が負担するという。
儀仗兵は国主の政の警備部隊である。要人警護もあるから見た目も重視されるし、警備能力も問われる。
見た目も良く、かつ警備能力が高い機械化歩兵は打ってつけだったらしい。
「まあ、広報のみなら良しとしましょう。ですが、何故私が国主儀仗兵部隊の管理担当官になるんですか!」
谷澤中尉が机をバンと叩く。眼が吊り上がっている。これは怖い。
「だってお前、谷澤公爵家の長女だろ? 俺は田舎の男爵家の三男だ。国主儀仗兵部隊だぞ。管理官としての格が俺では低すぎる。それに谷澤公爵家には許可を頂いている」
「あの父が許可しても、私は納得してません!」谷澤中尉が再度、机をバンと叩く。一歩間違えれば銃で撃たれそうだ。
「一つ言うとな、谷澤少将陛下はお前がこの件を拒否したら軍を退役させると言っている。その後は分かるよな」
途端に谷澤中尉の動きが止まり、目を見開きくるくると瞳が動く。顔が青くなったり赤くなったりしている。
この件は出来るだけ言いたくなかったのたが、言わないと収拾がつかないと思えたからだ。
「あの親父・・・一番イヤな手を・・・・・分かりました受けましょう。ただし条件があります」
「ああ・・・なんだそれは」俺としては、なんか嫌な予感しかしないが・・・・。
「私の婚姻相手は自分で決めると。政略結婚は認めないとの件を確認してください。これを認めないと受けません」
「おおう、分かった。至急谷澤少将陛下に確認を取る」
谷澤中尉は薄笑いを浮かべ、黙って敬礼すると執務室を出て行った。
これが遠藤少佐自身の人生最大の墓穴となることを本人はまだ知らない。
呪文
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- Sampler k_dpmpp_2m
- Strength 0.8
- Noise 0.1
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