(※以下のリンク先の話の続きになってます。が、まあ見なくても雰囲気でw)
https://www.chichi-pui.com/posts/228bf1a5-19a3-4b91-837c-24326ba84260/「まあ、あの方、領地を半分近くも辺境伯殿へ移譲に…しかもしばらく監視付きですって」
隣接する格上の貴族から言いがかりのようにして少ない領地へ攻め込まれ、そして撃退した。
顛末を全て見ていた国王直属の密偵達により経緯は王族へ報告され、その沙汰を通達する書簡が彼女の元へも届いていた。
事もあろうに脅し文句に『断れば国の統治方針への叛意ありと見做す』などという文言を使ったためだろう。
ただの貴族同士の小競り合いにできなくしたのはあの貴族本人。
「で、さ」
当主である銀髪の少女は心底愉快そうにひとしきりけたけたと笑ってから書簡をぱさりと投げ捨て、彼女の前に立つ使用人の長へ視線を上げた。
「あなたでしょお?あいつがちょっかい出してきたタイミングでわたくしが裏で領民に酷い圧政敷いてるって噂流したの」
無言のままただ軽く頭を下げる。
「相手が簡単に引っかかってくれるお馬鹿さんで助かりましたけど、お馬鹿すぎて本当に攻め込まれた時はわたくしだって怖かったのよ?」
――本日は珍しい、蕎麦のハチミツが手に入りましたので。
懐からやや黒く濁った金色の液で満たされたガラス瓶を取り出す。
「…はーあ、かなわないわー。しばらくは平和だと思うし、今日はお祝いってことでもう全員業務終了。晩御飯は適当に食べるから、あなたも休みなさい」
卓に置かれたその瓶をすぐさま取り上げ、しげしげと見入る。
もう片方の手でしっしっと追い払うようにすると、やがて使用人の気配は消えていた。
蓋を開ける。
まだ外は明るいけどたまにはいいだろう。
-------------------------------------------------
若くして当主となった没落貴族の銀髪お嬢様。
ベースは上品な紫のドレスのまま、肩口から腕にかけてメッシュ生地にしたり煌びやかな色合いにしたり試してみました。
が、なかなか指示通りにはならず利いてるのか利いてないのか曖昧~って感じで微妙。
難しいですなあ。。
こちらの蜂蜜大好き貴族お嬢様は #誇りは蜂蜜で塗り固めてある タグで纏めています。
よろしければ以下のリンクからごらんください。
https://www.chichi-pui.com/illustration/posts/tags/誇りは蜂蜜で塗り固めてある/