マーメイドレースクイーン
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人魚世界で人気を博す「ウェーブスートム・レース」に華を添えるマーメイドレースクイーンを描きました。
少々長いですがオリジナルストーリーもあります⬇️⬇️⬇️
青く果てしない海が世界の全てを覆う惑星アクアリス。陸地は存在せず、深海から浅瀬まで、イルカから進化した人魚たちが文明を築いていた。彼らは流線型の尾びれと鋭い知能を持ち、海流を読み、珊瑚の都市を築き、貝殻や真珠で装飾された社会を営んでいた。
この世界で最も熱狂的な娯楽は「ウェーブストーム・レース」だった。競技は水上をメインとする過酷なレースだ。選手たちは「ジェットフィン」——海藻繊維と鉱石で作られた高速推進装置——を装着し、荒々しい波や突発的な海流が渦巻く水上コースを疾走する。コースには突き出した岩礁、肉食性の飛行魚の群れ、そして強風による巨大な波が襲い、毎年数名の選手が重傷を負うか命を落とす危険なものだった。観客は海上に設置されたプラットフォームから、選手たちの命がけの疾走を熱狂的に見守る。
このレースに華を添えるのが「レースクイーン」だ。彼女たちはレースの開幕を告げる舞を披露し、選手たちに祝福の歌を贈る。レースクイーンには美貌だけでなく、波を操る歌声や、観客を魅了する優雅な泳ぎが求められ、誰もが憧れる職業だった。
ルカは浅瀬の小さな集落で育った若い人魚だった。彼女の尾びれはエメラルドグリーンに輝き、泳ぐたびに水面に光の波紋を広げた。子供の頃、父親がウェーブストーム・レースの選手として事故で命を落としたことから、ルカはレースの世界に複雑な思いを抱いていた。それでも、彼女はレースクイーンの舞に憧れ、夜な夜な波間で歌と泳ぎを練習した。
ある日、首都アクアポリスで開催される大レースのレースクイーン選抜試験が発表された。ルカは迷ったが、父親の記憶を胸に、故郷を離れて試験に挑むことを決意する。試験は厳しく、候補者は波を操る歌声、複雑な舞踊、そして観客を鼓舞するカリスマ性を競った。ルカはエメラルドグリーンの尾びれと、父親から教わった古い海の歌で試験を勝ち抜き、ついにレースクイーンに選ばれた。
レース当日、プラットフォームは数十万の人魚で埋め尽くされていた。ルカは他のレースクイーンたちと共に水面に飛び出し、開幕の舞を披露した。彼女の尾びれが描くエメラルドグリーンの光と、深く響く歌声は観客を魅了し、プラットフォームは歓声の渦に包まれた。だが、ルカの心は重かった。このレースには、父親を死に追いやった「タイダル・ウェーブ」——巨大な波と渦が連鎖的に襲うコースの一部——が含まれていた。
レースが始まると、選手たちはジェットフィンを唸らせ、猛スピードで水上コースを突き進んだ。ルカはレースクイーンとして選手たちを見守りながら、父親の最期を重ねていた。すると、タイダル・ウェーブで異変が起きた。リードしていた若手選手のジェットフィンが波に叩かれ故障し、渦に飲み込まれそうになった。
観客が息を呑む中、ルカは咄嗟に動いた。レースクイーンの役割を超え、彼女は自らの歌声を最大限に響かせ、波を鎮める海流を呼び起こした。さらに、エメラルドグリーンの尾びれで水面を叩き、選手を渦の外へ押し出した。プラットフォームは静まり返り、やがて雷のような拍手と歓声が沸き起こった。選手は無事で、レースは続行。ルカの行動はレース史上初めての出来事として語り継がれることになった。
レース後、ルカは英雄として讃えられたが、彼女は静かに海底の父親の墓標を訪れた。「お父さん、私、怖かったけど…やっとレースを愛せそう。」彼女のエメラルドグリーンの尾びれは、月光を受けて優しく輝いた。
ルカはその後もレースクイーンとして活躍し、ウェーブストーム・レースに新たな風を吹き込んだ。彼女の歌と舞は、ただの華やかさではなく、選手と観客の心をつなぐ希望の光となった。
(終)
呪文
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