昼下りの情事ごっこ
例によって記憶がいい加減です。間違いや欠落が多々あると思います。主人公の名前も会っているかどうか自信がありません。がどうかお許しください。基本的にあじろべえの主観によるシーン抜粋ということで。
マリアンヌは音楽学校でチェロを習っている女の子。父親は私立探偵である。・・・①
好奇心旺盛のマリアンヌはよく父親の仕事の資料、主に男の浮気調査などだが、それをこっそり見ては面白がっていた。
フラナガンさんは著名な実業家で女性を巡るスキャンダルが絶えない。・・・②
ある日、父親の依頼主Aがフラナガンさんが妻の浮気相手と知り、彼を殺害しようと企てる。それを知ったマリアンヌ、殺人を阻止するためにフラナガンさんのホテルの部屋へと乗り込む。ちょうど旅支度をしていたフラナガン、スーツケースの蓋が閉まらなくて困っていたところへ見知らぬ少女闖入、
「ちょうどいい、君、スーツケースの上に乗ってくれないか、蓋が閉まらないんだ」
マリアンヌが蓋の上に乗ってうまくスーツケースの蓋が閉められた。・・・③
そこへ拳銃を持って乗り込んできたA、しかし妻は居ず、見知らぬ少女とフラナガンだけ、
「あ、こりゃ、とんだ間違いをしてしまった申し訳ない」と退散する。
これをきっかけにマリアンヌとフラナガンは互いに惹かれ合っていく。
彼女は未成年であり、学生であり、父親との二人暮らしなので、フラナガンとの逢瀬はいつも昼間。マリアンヌは学生であることを隠すためにチェロをホテルの廊下に放置してフラナガンの部屋を尋ねるのだ。・・・④
ふたりが逢うときはいつも4人組のジプシー楽団がBGMを演奏する。この楽団はいつでもどこへでもついてきて常に音楽を奏でている。お決まりの曲は「魅惑のワルツ」だ。多くはホテルの部屋で、またあるときは湖にボートを浮かべてデートするときも、そばで別のボートを浮かべて「魅惑のワルツ」を演奏するのだ。・・・⑤
マリアンヌは父親の資料で読んだ男の話をさも自分の彼氏の話のようにフラナガンに話した。それは皆、地位も名声もある男たちの浮気話なのだが、フラナガンは概ね信じてしまう。あるときマリアンヌはフラナガンがちょっと席を外したときに、彼が仕事で使っているテープレコーダーに過去の男性遍歴(もちろん父親の資料で読んだだけだが)を1人目は誰それとどこで・・という風に録音したりするのである。・・・⑥
この嘘にすっかり翻弄されてしまったフラナガン、ある夜酒を飲みながら悩み続ける。ジプシー楽団も(この時の音楽は「魅惑のワルツ」ではなくてもっと激しい調子の曲)一緒に飲んで酩酊してしまう。・・・⑦
明け方、酔い覚ましに楽団を連れてサウナに行く。サウナでもジプシー楽団は演奏を続ける、バイオリンのf字孔からお湯が溢れ出しても演奏を続ける。・・・⑧
そこにたまたまAが居合わせる、彼も今は奥さんと和解して幸せに暮らしているという、
「そういう悩みなら良い探偵を紹介してやろう」
とマリアンヌの父親を紹介する。もちろんその探偵とマリアンヌとが親子であることは知らない。
フラナガンの依頼を受けた父親。
「ん?その男のことなら過去の調査にありましたな。あ、その男も・・」
そしてフラナガンの調査対象が自分の娘と理解する。
数日後、フラナガンの元を訪れた父親
「調査は終わりました」
紙切れ1枚を差し出す
「たったそれだけなのか?」
「ただの貧乏人の娘ですから、マリアンヌはあなたと釣り合いの取れる娘ではありません。どうか彼女が傷つく前にフラナガンさん、あなたから手を引いてやってはくれますまいか?父親のお願いです」
事態を受け止めたフラナガンは何も言わずに去ろうと旅支度をする。しかしマリアンヌがやってきてしまう。去っていくフラナガンに、自分にはたくさん彼氏がいるから全然寂しくなんかないわ、明日は**と**でデートよ。などと強がって見せる。走り始めた列車を追いかけながら、明後日は**とその次は・・などと涙ぐみながら強がるマリアンヌ。・・・⑨
その姿に彼女の本当の愛を見つけ、また自分も本気で愛していると知ったフラナガンは、思わず彼女を抱き寄せて列車に乗せる。
「・・ど・どうして?・」
「もう何も言わないで、マリアンヌ」
走り去る列車を父親は、きっと大丈夫、と安堵しながら見送る。ジプシー楽団が「魅惑のワルツ」を奏でてEND。・・・⑩
ローマの休日から始まって4作品、オードリー・ヘップバーン主演の映画ネタをやってきましたが、このネタはこれにておしまいです。他にもいい作品はありますが、私が筋書きを十分に覚えていないのが理由です。最後までお読みいただきありがとうございました。
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