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待ち合わせchapter 4 鵜飼 美月(うかい みづき)

使用したAI Stable Diffusion
雪がちらつく元旦の朝、俺は神社の鳥居の前で姉を待っていた。冷たい風が頬を刺し、白い息が立ち昇る。久しぶりの再会に、胸の奥で小さな緊張が膨らむ。

姉と会うのは半年ぶりだ。全寮制の学校に通い始めてから、帰省の機会は激減した。幼い頃、俺たちは喧嘩ばかりしていた。血の繋がりがなく同じ年の姉弟——それが原因で

お互いに「兄だ」「妹だ」と、マウントの取り合いでくだらない言い合いを繰り返していたのが今でも記憶に残っている。些細なことでぶつかり合い、時には口もきかなくなるほどだった。


そんなやり取りが、まるで昨日のことのように思い出される。けれども、年がたつといつの間にかお互いを尊重し合う関係になっていた。今では、彼女の一言一言が胸に響く。


背後のざわめきが大きくなり、振り向くと、そこに姉が立っていた。俺は息を呑んだ。白地に薔薇柄の華やかな着物、縦ロールのブロンドの髪が朝日に輝き、青い瞳は澄み渡る。まるで人形のようなその姿は、参拝客たちの視線を集めていた。

「待たせましたわね」

軽やかな声が、新年の冷たい空気を柔らかく染める。俺はしばし呆然としてしまう。

「姉さん…すごく変わったな」

「そうかしら?変わったのはあなたのほうではなくて?少したくましくなったかしら?」

彼女の言葉に、思わず笑みがこぼれる。確かに、変わったのは俺のほうかもしれない。彼女の存在を素直に受け入れる自分がここにいる。

「さあ、参拝に参りましょう」

姉の誘いに頷き、一緒に境内へと歩き出す。人混みの中でも、彼女の姿は際立っていた。昔の姉とは違う——でも、変わらない優しさがそこにあるのを感じた。

初詣の賑わいに包まれながら、俺は静かに言葉を口にする。

「姉さん、今年もよろしくな」

彼女は一瞬驚いたような表情を見せたが、すぐに柔らかな微笑みを浮かべる。

「ええ、こちらこそ。今年も仲良くしてくださいますわね」

新年の光が降り注ぐ中、穏やかな時間が流れていく。この一年も、きっと良い年になる——そんな予感がした。

呪文

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