帝国主、機械化歩兵大隊を視察
実際に今帝国主は女性のせいか妙に新しもの好きで、特に最近実績を上げている機械化歩兵部隊には以前から要望があったと言う。
勿論、谷澤少将からの後ろ盾はあったが、予想以上の早い視察訪問に遠藤少佐も動揺した。
もっと動揺したのは視察訪問の際の護衛部隊が僅か近衛三個警備小隊(80名)のみであったことだ。
いくら国内とはいえ、事実上の丸腰である。通常なら近衛1個中隊(300名)以上の護衛が付くのが通例だからだ。
政治的実権はない象徴としての帝国主ではあるが、外交上では帝国皇帝であることは間違いないのだ。
これは、遠藤少佐を無条件に信用しているのを暗に示唆している。気味が悪いほど好意的であったのだ。
その理由は後日、帝国総務省からの要望書で分かることになる。
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