巡礼騎士と白髪の呪い
使用したAI
Stable Diffusion XL
「騎士どの。本当に申し訳ない...！ 今回はすべて私の落ち度だ...あれだけ開封時に解呪の呪文には注意していたのにっ！」
灰髪エルフの魔術師オルウェンは心底悔しそうに言うと、深々と頭を下げた。普段は慇懃で物静かな青年がいつになく大きな声で上げる詫びの言葉に、魔術師の塔の図書館にいた人々が驚いたように3人の冒険者たちを見やる。
「封印された巻物や魔導書にはこのように、不用意に開けようとした者に呪いや罠を発動させるものがあるのです。性格が悪い作者による悪ふざけの類になると、開けた者の顔を醜くしたり、髪の色を変えたり、悪臭を漂わせたり、蛙や鼠や小さな生き物に変身させたり...。
あの海の町で手に入れたこの巻物、よもや開けた本人ではなく近くにいた人に『白髪の呪い』を掛けてくる手の込んだ仕掛けとは...私以上に性格の悪い妖術師が仕込んだものと見えます」
「ま、まあ...そこまで頭を下げずとも...。魔術師どの、どうぞ頭を上げてください。永遠に続く呪いでしたらわたくしも困りますが、この『白髪の呪い』、しばらくすれば元に戻り、副作用もないということでしたら待っておりますから...ささ、どうか頭を上げてください」
手すりが左右で合っていない修繕中の木の椅子に、両足を揃えてちょこんと腰掛けると、騎士ローリエは困ったように両手を合わせた。
戦いに備えた鎧を外し、青が基調の服に身を包んだ今日の巡礼騎士は、戦場を駆ける闘士ではなく品の良い貴族の子女のようにも見える。異国の硝子細工のように輝く空色の目、編み込んだ髪と髪飾り。
そして騎士装束にも映える銀糸のような波打つ豊かな髪は...図書室の窓の光を受け、いつもの銀色よりもやや白色を帯び、いつもよりさらに長く伸びていた。
「そうですよ。オルウェンさん本人やぼくや、ほかのこの塔の人たちが犠牲者じゃなくて不幸中の幸いだったかもしれません」
アリアン少年は立ち上がり、ローリエの座る椅子の後ろに回ると、椅子の背に零れ落ちる豊かな髪を眺めた。
「ローリエさんのきれいな銀髪だと...うん、白髪になっても、よーく見ないとそんなには変わらないですね」
「ええ。我が命は元は錬金術の秘法と第五元素の奇蹟によって得たもの。この髪色は故郷でも珍しいものでした。さ、魔術師殿、顔を上げてください」
ローリエが繰り返すと、半エルフの青年はようやく頭を上げた。しかし魔法の使い手はこと自分の専門分野になると妥協しないのか、魔術師オルウェンは眼鏡を光らせて続ける。
「いえ、それでは魔術の探究者として示しがつきませぬ。そうだ、騎士どの、罰として、お詫びに何か一つ、命として何でも申し付けください。今回は本当に何でも、どんなことでもお詫びにします」
「なんでも、ですか。弱りましたね。う、う～ん...」
騎士ローリエはしばらく考えていたが、姿勢を正すと咳払いして言った。
「それでは、聡明なる魔術師オルウェン・ケレブラントよ。主の導きにより、このローリエ・リルケの騎士の名において、ひとつ命を授けましょう。ほら、そちらの方から...未来の大魔術師たちが、先ほどからずっと、わたくしたちの様子を伺っていますよ」
彼女が指し示すと、様々な種族の魔術師見習いの少年少女たちが慌てた様子で、図書室の入り口から首をひっこめた。
「灰髪の魔術師よ、どうかあの子たちに旅と魔術の話を聞かせてあげてください」
月桂樹の騎士ローリエは年若い魔術師たちに微笑んだ。
「いらっしゃい、魔術師の塔で修練に励む皆さん。この彼は異国を巡り数々の冒険を経てきた、しかもエルフの血の混じった珍しい旅の魔術師です。きっと、楽しい話が聞けると思いますよ」
---
という一幕ということで...
リャドイン鈴樹さんの「白髪青目最高」企画に参加なのです。おーこの方もTRPG畑の方なんですね。
白髪青目の条件にうちのキャラたちから一番近いのは...ということで、銀髪青目の巡礼騎士ローリエさんが一時的に白髪になった...という状況で1作なのです。
ちびキャラ＋解説ページ https://www.chichi-pui.com/posts/54c7dc8f-f8e3-4e88-8858-be0c64169c54/
騎士ローリエは設定では空色の瞳、波打つように流れる銀髪...ということで呪文ではbeautiful detailed silver hairを指定しています。今回は企画に厳密に沿うべくこのsilver→whiteに変えてみました。
またSD版でHimawariMix v9でよく作っていたので、雰囲気を少しでもより近付けてみよう...ということでSDXLで生成した後にi2iを通して制作しています。
2枚目以降にも載せた通りなのですが、だいたいのモデルで白髪と銀髪は大きくは変わらないことが多いですね。
モデル：ShiratakiMix XL v1→t2iでHimawariMix v9 強度0.4→加工
フォント：Great Vibes：
おまけ：
2枚目：t2iでShiratakiMix XLで召喚した直後の白髪バージョンです。非常に微妙な違いなのですが目の形と口の描画が少しだけ違います。ここから1枚目メイン作品に繋がります。
3枚目：t2iでShiratakiMix XL、呪文にいつものようにsilver hairを指定した銀髪バージョンのローリエさん。髪色が若干濃くなったぐらいであまり変わらないですね。
4枚目：この3枚目にi2iでHimawariMix V9 強度0.4を通してみたもの。1枚目メイン作品の銀髪バージョンになります。
なおこの巡礼騎士ローリエと仲間の2人がファンタジーっぽい世界を旅していくシリーズは、すべての作品をタグ「巡礼騎士シリーズ」で探せるように整備しました！実は最初期からいたりするのでよろしければドウゾ。
https://www.chichi-pui.com/illustration/posts/tags/%E5%B7%A1%E7%A4%BC%E9%A8%8E%E5%A3%AB%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA/
【追記】2024年8月14日のStable Diffusion XLデイリー20位ありがとうございました～🦄
灰髪エルフの魔術師オルウェンは心底悔しそうに言うと、深々と頭を下げた。普段は慇懃で物静かな青年がいつになく大きな声で上げる詫びの言葉に、魔術師の塔の図書館にいた人々が驚いたように3人の冒険者たちを見やる。
「封印された巻物や魔導書にはこのように、不用意に開けようとした者に呪いや罠を発動させるものがあるのです。性格が悪い作者による悪ふざけの類になると、開けた者の顔を醜くしたり、髪の色を変えたり、悪臭を漂わせたり、蛙や鼠や小さな生き物に変身させたり...。
あの海の町で手に入れたこの巻物、よもや開けた本人ではなく近くにいた人に『白髪の呪い』を掛けてくる手の込んだ仕掛けとは...私以上に性格の悪い妖術師が仕込んだものと見えます」
「ま、まあ...そこまで頭を下げずとも...。魔術師どの、どうぞ頭を上げてください。永遠に続く呪いでしたらわたくしも困りますが、この『白髪の呪い』、しばらくすれば元に戻り、副作用もないということでしたら待っておりますから...ささ、どうか頭を上げてください」
手すりが左右で合っていない修繕中の木の椅子に、両足を揃えてちょこんと腰掛けると、騎士ローリエは困ったように両手を合わせた。
戦いに備えた鎧を外し、青が基調の服に身を包んだ今日の巡礼騎士は、戦場を駆ける闘士ではなく品の良い貴族の子女のようにも見える。異国の硝子細工のように輝く空色の目、編み込んだ髪と髪飾り。
そして騎士装束にも映える銀糸のような波打つ豊かな髪は...図書室の窓の光を受け、いつもの銀色よりもやや白色を帯び、いつもよりさらに長く伸びていた。
「そうですよ。オルウェンさん本人やぼくや、ほかのこの塔の人たちが犠牲者じゃなくて不幸中の幸いだったかもしれません」
アリアン少年は立ち上がり、ローリエの座る椅子の後ろに回ると、椅子の背に零れ落ちる豊かな髪を眺めた。
「ローリエさんのきれいな銀髪だと...うん、白髪になっても、よーく見ないとそんなには変わらないですね」
「ええ。我が命は元は錬金術の秘法と第五元素の奇蹟によって得たもの。この髪色は故郷でも珍しいものでした。さ、魔術師殿、顔を上げてください」
ローリエが繰り返すと、半エルフの青年はようやく頭を上げた。しかし魔法の使い手はこと自分の専門分野になると妥協しないのか、魔術師オルウェンは眼鏡を光らせて続ける。
「いえ、それでは魔術の探究者として示しがつきませぬ。そうだ、騎士どの、罰として、お詫びに何か一つ、命として何でも申し付けください。今回は本当に何でも、どんなことでもお詫びにします」
「なんでも、ですか。弱りましたね。う、う～ん...」
騎士ローリエはしばらく考えていたが、姿勢を正すと咳払いして言った。
「それでは、聡明なる魔術師オルウェン・ケレブラントよ。主の導きにより、このローリエ・リルケの騎士の名において、ひとつ命を授けましょう。ほら、そちらの方から...未来の大魔術師たちが、先ほどからずっと、わたくしたちの様子を伺っていますよ」
彼女が指し示すと、様々な種族の魔術師見習いの少年少女たちが慌てた様子で、図書室の入り口から首をひっこめた。
「灰髪の魔術師よ、どうかあの子たちに旅と魔術の話を聞かせてあげてください」
月桂樹の騎士ローリエは年若い魔術師たちに微笑んだ。
「いらっしゃい、魔術師の塔で修練に励む皆さん。この彼は異国を巡り数々の冒険を経てきた、しかもエルフの血の混じった珍しい旅の魔術師です。きっと、楽しい話が聞けると思いますよ」
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という一幕ということで...
リャドイン鈴樹さんの「白髪青目最高」企画に参加なのです。おーこの方もTRPG畑の方なんですね。
白髪青目の条件にうちのキャラたちから一番近いのは...ということで、銀髪青目の巡礼騎士ローリエさんが一時的に白髪になった...という状況で1作なのです。
ちびキャラ＋解説ページ https://www.chichi-pui.com/posts/54c7dc8f-f8e3-4e88-8858-be0c64169c54/
騎士ローリエは設定では空色の瞳、波打つように流れる銀髪...ということで呪文ではbeautiful detailed silver hairを指定しています。今回は企画に厳密に沿うべくこのsilver→whiteに変えてみました。
またSD版でHimawariMix v9でよく作っていたので、雰囲気を少しでもより近付けてみよう...ということでSDXLで生成した後にi2iを通して制作しています。
2枚目以降にも載せた通りなのですが、だいたいのモデルで白髪と銀髪は大きくは変わらないことが多いですね。
モデル：ShiratakiMix XL v1→t2iでHimawariMix v9 強度0.4→加工
フォント：Great Vibes：
おまけ：
2枚目：t2iでShiratakiMix XLで召喚した直後の白髪バージョンです。非常に微妙な違いなのですが目の形と口の描画が少しだけ違います。ここから1枚目メイン作品に繋がります。
3枚目：t2iでShiratakiMix XL、呪文にいつものようにsilver hairを指定した銀髪バージョンのローリエさん。髪色が若干濃くなったぐらいであまり変わらないですね。
4枚目：この3枚目にi2iでHimawariMix V9 強度0.4を通してみたもの。1枚目メイン作品の銀髪バージョンになります。
なおこの巡礼騎士ローリエと仲間の2人がファンタジーっぽい世界を旅していくシリーズは、すべての作品をタグ「巡礼騎士シリーズ」で探せるように整備しました！実は最初期からいたりするのでよろしければドウゾ。
https://www.chichi-pui.com/illustration/posts/tags/%E5%B7%A1%E7%A4%BC%E9%A8%8E%E5%A3%AB%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA/
【追記】2024年8月14日のStable Diffusion XLデイリー20位ありがとうございました～🦄
呪文
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イラストの呪文（プロンプト）
jacket partially removed, heart in eye, burnt clothes, holding fishing rod, kanji, doujin cover, pentagram, tape gag, adjusting headwear, red socks, friends, cloud print, coke-bottle glasses, oral invitation, competition school swimsuit, barbell piercing, gradient legwear, prisoner, blood on breasts, wind chime, carrying over shoulder, tape measure, flaming weapon
イラストの呪文（ネガティブプロンプト）
jacket partially removed, heart in eye, burnt clothes, holding fishing rod, kanji, doujin cover, pentagram, tape gag, adjusting headwear, red socks, friends, cloud print, coke-bottle glasses, oral invitation, competition school swimsuit, barbell piercing, gradient legwear, prisoner, blood on breasts, wind chime, carrying over shoulder, tape measure, flaming weapon
- Steps 20
- Scale 7.5
- Seed 32576585
- Sampler DPM++ 2M Karras
- Strength 0.55
- Noise
- Steps 20
- Scale 7.5
- Seed 32576585
- Sampler DPM++ 2M Karras
- Strength 0.55
