Re:打ち棄てられた社に残るはぐれ狐
これはSD始めた初期、偶然できた半分崩れかけた画像から着想を得たものでした。
それから気が向いたときにのんびり続きをつくっていますが、現在はSDXL移行したのと、書き始めと現在の話の流れでちょっと辻褄合わない所があるので画像と第一章第一話にあたる部分をちょっと作り直してみた次第です。
ついでにsunoで邂逅時のイメージ曲も生成してみました。よろしければ一緒にどうぞ。1分くらいの短い曲です。
A stray fox in an abandoned shrine-廃神社のはぐれ狐
https://suno.com/song/b197ffa7-8b81-49bf-a258-ab7601b91054
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「よう…気が付いたか旅人。迷い込んで呪い憑きにやられたようだな。そこの庭に倒れとった」
目を開けると、狐の類が横に座って私をのぞきこんでいた。
「儂は古い狐よ。人間で言う、化け狐というやつか。…なんだ、あまり驚いた様子でもないな」
――いえ、驚いてはいますが、まだ頭がついてこない、といいますか。
間の抜けた返事をした。
「ここはもう廃された神社でな。儂が一人で棲みついておる」
「一応、棲んでおる分、呪い憑き、怨霊の類は周辺の厄除け程度に祓っておるが」
訥々と低めの声で語る狐は痛々しい傷跡、呪い痕、そして衰弱が見てとれたが、その奥にかつての美貌を想起させるに十分だった。
「酒は飲めるか。あまり質の良いものではないが、気付けくらいにはなるだろう。それを飲んだら早く出ていけ。ここに居ても、良いことはないぞ」
――なぜここにお一人で。
つい、聞いてみた。
迷ったのか、少し間があって彼女は口を開く。
「ここも元は稲荷大神様が鎮座される立派な神社だった。まあ、いろいろあって新しい社に奉遷――引っ越しすることになってな。眷属や信奉者の狐、皆、ついていくことになった。だが儂はここに残りたかったから。それだけだ」
化け狐は私へ酒を差し出すついでに自分の杯にも注いだ酒を煽って続ける。
「稲荷大神様は優しいお方じゃよ。皆が引っ越す前夜、夢を見た。『いつまでもここに居る必要はない、好きに暮らせ。ただ、お前が自ら成したいことが見つかるその時までは、ここに集まる悪いものを祓う役目をして欲しい』そう仰ってくれた」
盃の酒を飲み干し、また来ます、お礼がしたいので、と言い残して社を後にした。
狐から返事はなかったが、つまりはっきりと拒絶はされていないということだ。
そして気付けの酒は、びっくりするほど不味く、なるほどあれは気付けにうってつけと言えた。
狐に酒の味がわかるのかは知らないが、せっかく飲むならもう少しましなものを飲ませてやりたい、そう思った。
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邂逅時の彼女は怪我、栄養不足、呪いの浸食で衰弱しており『いつか自我を失って災厄の呪い狐となってしまう前に自ら生を閉じるか、妖力ごと呪いを放棄してただの狐に戻ってしまおうか』と考えている所でした。
そんな時に人間が迷い込み、ほんの気紛れで呪いを祓って助けたところから話は始まります。
で、彼女の初期の容姿もSDXL版で作り直したわけですが〜〜。
衰弱と言いつつ、ガリガリに痩せこけた老婆みたくするのはキャラクターとして魅力に欠けるし、表現が難しいので目が虚ろでかなり疲れている、くらいの感じにとどめました。
つまり結局いつもとあんまり変わらんかった。。
私がちちぷいで物語を書くきっかけになった初期の一枚
https://www.chichi-pui.com/posts/27f0b02c-1b68-4d21-9740-05e786196851/
こちらの化け狐のシリーズは #廃神社のはぐれ狐 タグで纏めています。
よろしければ以下のリンクからどうぞ。
https://www.chichi-pui.com/illustration/posts/tags/廃神社のはぐれ狐/
呪文
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イラストの呪文(プロンプト)
イラストの呪文(ネガティブプロンプト)
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