ログインする ユーザー登録する
投稿企画「#読書」開催中!特設ページへ ▶

赤い目の女の子

使用したAI Stable Diffusion
1.奇妙な死の現象
大学の講義が終わると、真治とさつきはいつものカフェに足を運んだ。午後の日差しが窓
から差し込むその店は、二人の定番の場所だった。今日もさつきが自然に席を選び、真治は
彼女の隣に座る。店内は学生やカップルで賑わっていたが、二人の間に漂う静かな緊張感は
別のものだった。
さつき『ねぇ、最近のニュース、どう思ってるの?』
彼女はコーヒーに砂糖を入れながら問いかけた。その声は落ち着いていたが、どこか不安げ
な眼差しが真治に向けられている。
真治『……どうって、何が?』
真治は一瞬ためらった。彼女が何を言いたいのかは察していたが、その話題に触れるのが怖
かった。彼の目線は自分のカフェラテの泡を見つめていた。ここ数週間、男性が突然死する
という奇妙な現象が社会を震撼させていた。ニュースでも繰り返し取り上げられ、ネット上
でもさまざまな憶測が飛び交っていたが、真治はそのことにあえて目を向けないようにして
いた。
さつき『もう、ほんとにしっかりしてよ。こんなことじゃ生き残れないよ?』
彼女の言葉は厳しいものだったが、その奥には真治を案じる気持ちが感じられた。さつきの
性格は、表向きは強気で鋭い言葉を放つが、その裏には優しさがある。そんな彼女の表情を
見て、真治はまたため息をつく。
真治『……そんなこと言ったってさ、わかんないよ。ネットでは何が本当で、何が嘘かもわ
からないんだ』
心の中で、真治はもっと強くありたいと願っていた。しかし、この現象について考えるたび
に、彼の中に芽生える恐怖がそれを打ち消していた。自分も、いつか突然死ぬのではないか
という不安。それをさつきに伝えることができなかった。
さつき『でもさ、最近は SNS でも情報が出回ってるでしょ?何かしらの原因があるはずだ
よ』
彼女はスマートフォンを取り出し、最近目にした記事や投稿を見せた。SNS では、政府が何
かを隠しているという陰謀論や、ウイルスが原因だとする説が飛び交っている。真治もその
投稿をいくつか見てはいたが、具体的な証拠がない以上、それにすがることもできなかった。
真治『見たことはあるけど……結局、全部推測だろ?』
さつき『推測でも、何か手がかりになるかもしれないじゃない。ここで何もしないより、調
べた方がいいよ。』
真治はさつきの言葉に黙り込んだ。彼女の言うことは正しい。だが、何を調べればいいのか、
その手がかりすら見つかっていないのだ。講義やバイトで忙しい日常の中で、この謎に迫る
のは簡単なことではなかった。
それでも、真治の頭の中には最近見たある投稿が引っかかっていた。それは、ある匿名のア
カウントが発信したもので、**「この現象は単なる自然災害ではない。意図的に引き起こさ
れたものだ」**というものだった。その言葉が、真治の心に棘のように刺さっていた。仮に
それが本当だとしたら、何がその「意図的な力」を引き起こしているのか? そして、それが
自分たちにも及ぶ可能性があるのか。
真治『……もしさ、誰かがこれを意図的にやってるとしたら?』
ふと、自分でも驚くほど小さな声で言葉が漏れた。彼はさつきの顔を見上げた。彼女は一瞬
驚いたような表情をしたが、すぐに真剣な顔つきに変わる。
さつき『誰かが?……それって、どういうこと?』
真治『ネットで見たんだ。誰かがこの現象を引き起こしてるって……ただの噂かもしれない
けど』
さつきは少しの間黙って考え込んだ後、スマートフォンを握りしめた。
さつき『だったら、もっと調べるべきだよね。もし本当にそうなら……私たちもいつどうな
るかわからない』
真治はその言葉に軽く頷いた。彼の中で、不安は消えるどころかますます強くなっていた。
だが、さつきと一緒なら、何か解決策が見つかるかもしれない。そう信じることにした。

呪文

入力なし

syungikuさんの他の作品

syungikuさんの他の作品

すべてを見る

おすすめ

Amazon

関連イラスト

トレンド

すべてを見る

ユーザー主催投稿企画

すべてを見る

新着イラスト

すべてを見る

ちちぷいグッズ

ショップを見る