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残英 -Hero left behind-

使用したAI Dalle
「...誰か...誰かいないのか」

生存者を呼ぶ声が 静寂の夜に通っていく。
返答は無く 耳を掠めるは凍てつく風音と 雪を踏みしめる音ばかり。

「どうして...これじゃ 意味がないじゃないか」

足元から崩れる私の前には 共に戦った戦友の亡骸と敵兵の残骸。
それが無情にも 幾重に広がっている。

守る為に騎士になり 平和の為に剣を揮い 希望を誓い合った。
守るべきモノの為に命が散るのなら それが私の本望だった。
それが騎士であり いずれ迎える定めだと信じて突き進み。
結果として 今に辿り着いた。

その日。
占拠された故郷を奪還するべく 私は仲間と共にこの任務に志願した。
私含め 数名は同郷の者たちで構成され 地の利を生かした盤石な作戦だった筈だ。

そして予想通り 作戦は定石を踏み。
順調に任務は進行していた。
少なくとも私が中枢に乗り込むまでは...。

少数精鋭で中枢に乗り込んだ私は 命からがら将を討ち。
その後も残党を削ぎながら なんとか私だけが生還した。
だがしかし 満身創痍の私を向かい入れたのは 仲間たちの祝杯ではなく。
無惨な光景が広がった 在りし日の故郷だった。

「いったい 何があったんだ...私に教えてくれ...」

滲みゆく雪に 私は問うた。

「こんな結末など望んじゃいない...果たしてこれが勝利と言えるものか」

身体も既にいう事が聞かなくなり 遂には涙も流れ落ちてきそうだ。
溢れでる雫を零さぬ様に 私は顔を見上げる。

嗚呼...残酷だ
「こんな時ですら空は美しく 日は昇るというのか...」

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