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知る人ぞ知るインディーズロックバンドのライブ

使用したAI Custom Model
仕事をサボって街をブラついてたら、間違えてライブハウスに入ってしまった。
なんか知らないロックバンドのステージの最中で、すごくやかましかった。でも客はみんな熱心なファンらしく、盛り上がりがすごい。私はその熱狂の渦に巻き込まれてしまった。
「おっ、アンタみたいなオッサンでもこのバンド聞くの? めずらしー」
いかにもロックが好きそうな、パンクなファッションの若い女の子たちが、いつの間にか私を取り囲んでいた。
まさか何も知りませんとは言えないので、最近知って興味を持った新米ファンを装って、当たり障りなく話をすることにした。彼女たちにとっては、たとえ40過ぎの太ったオッサンでも、新しい仲間ができることは歓迎すべきことのようで、愛想よくいろいろ教えてくれた。
「とにかくあれだね。決まりごととか常識的とかに正面からパンチかますような歌詞が好きなんだ。マジで心に響くっていうかさ」
「うち、親が厳しくてさー! 鬱屈してたときにこのバンド知ってビビってきたの! メロディもパワーあって好みだったしー!」
「私の小学校でも、知ってる子多いよ! テスト前に聞くと元気になれるの! ライブに来て生で聞いてるのはアタシくらいだろうけど!」
「あんまり真面目にしてなくてもいいんだって……好き放題して生きても、仲間になってくれる人はいるんだって教えてもらったの」
「私も、心を解放してくれるようなものに飢えていて……夫に黙ってここに来て、力いっぱい応援するのが、最高のストレス解消なの」
どうやら心が不自由な人を解き放ち、自由にするパワーを持つミュージシャンであるようだ。
でも、このバンドがどれだけすごくても……私みたいな中年おやじになると、フリーダムになるのも限界あるからなぁ……。
たとえば、ずっと独身で女性に縁がない暮らしをしてきたけど、心を解き放っても彼女ができるわけじゃないし……。
「ん? 何言ってんのさ、オッサン。このバンドが好きなら、アタシたちはもう仲間だろ?」
「私たち、仲間が好き放題したいなら、喜んで手助けするよ?」
「ここにいるみーんな、フリーハグだよ♡ オジサンが望むなら、フリーキッスだってOKだったり~♡」
「夫がいても、友人とのスキンシップぐらいは問題ないですものね……?」
…………私はこの日、閉店までこのライブハウスで、新しい仲間たちと自由に楽しく過ごした。
もちろん、ロックバンドのディープなファンになったのは言うまでもない。

呪文

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