第三機械化歩兵二第三区画ヘノ威力偵察ヲ命ズ
どんなに事前情報を入れても、事実とは異なる面も多々あるので最終判断である。
第一機械化歩兵では、戦力不足から接触戦闘は損害が大きいので極力避けている。
威力偵察を生身の人間が行うと人的損害が大きくなる傾向があるのでこちらもあまり実施されない。
真に戦闘能力の高い第三機械化歩兵の最も得意とする分野となる。
しかし、やり過ぎて威力偵察時点で相手を壊滅させることがあり、軍部から厳重注意されている。
※「おめーら、偵察だって言ったろ。相手泳がすのも戦略なんだ。壊滅させてどうする!」遠藤少佐が各小隊長に怒鳴った。
「はい、失礼しました。しかし威力偵察ですよね。戦闘しないと実力が・・・」機械番号87の小隊長が答える。
「まあ、そうだが・・・すまん。軽戦車を緊急申請しているんだが、届かんのだ。にしてもだ! いきなり紙装甲の装甲車で突っ込むな。まず野砲で様子見をしろ」
「野砲の様子見なんて面白くないもん。装甲車で突っ込んだ方が早いもん。そしたら指揮官が部下を置いて真っ先に逃げちゃた。で、残された部下連中はあたいの姿見て戦意喪失したわけ。15分で中隊ゲットだせ」体中損傷だらけの機械番号95の小隊長が為口を言った。
「バカだろお前! 早いもん・・じゃねえよ! お前ら! いくら防弾装甲しても壊れる時は壊れるんだ。それにお前顔半分ないぞ。支障ないのか?」
見ると、頭部カバーが半分無くなって部品が露出している。結構エグイ。
「ああ、頭のパーツなくても動けますので。顔なんて飾りですよ。胸部を貫通しなければ大丈夫です」サラリと回答する小隊長に遠藤の顔が引きつる。
「相手の指揮官敵前逃亡かよ。まあ、とにかく無理はするなよ。兵站修理部から悲鳴が上がっているんだ。お前らには機械人権がある。損傷が酷い奴は副官のように後方支援に回す。だから動けないと言って自爆攻撃は固く禁ずる。動けなれば連絡しろ。必ず救援に行く。とにかく必ず戻ってこい。これは命令だ。お前ら1体で装甲車1台分の金がかかるんだ。戻らんと費用対効果で俺が死ぬ」
遠藤はキョトンとしている頭が半分しかない小隊長の肩をポンと叩く。
「せっかく全員、上層部と技術部に頼み込んで可愛い美人顔にしたんだ。過酷な任務ばかりだからせめて容姿は美しくしてくれてとな。一応土下座したんだぜ。
まあ察してくれよ。じゃあ俺は兵站部に行く。各自装備点検と修理が必要な者は具申すること。明日には次の移動命令が来る。いいな、ではよろしく」
各小隊長は一斉に敬礼する。そこには階級を超えた敬意と恩義が入っていた。
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