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明け方、族長から連絡が入った。
ついに私たち一族にも、この煩わしい争いに協力するように声がかかったらしい。
全くもって面倒なこと極まりない......が、住処を追いやられても困る。ここは大人しく従うことにしよう。
現状、私たちに必要なのは圧倒的な量の水......とのことだ。
通常ならウェスティリアから仕入れてくるそれも、この状況で極端に減っている。

「地下のアレを調べて欲しい」

族長からはただ一言、そう言われていた。

アレとは、我々グリーンハットが先日見つけた地下水脈のことだ。
グランゼンとの国境付近、小さく開いた地下洞窟にそれは流れていた。調べてみると、なんとこの水脈、グランゼンを大きく跨ぐ形でウェスティリアから流れてきているもののようだ。
この透明度と魔力含有量だ......間違いようがない。

しかし、通常であればかの国から買い取っているはずの水。これが表沙汰になれば、ウェスティリアとの国交に大きな断絶を生みかねない。

「ここは秘匿し、閉鎖するべきだと言ったのに、あの族長は......」
はぁ、もう知らん。今だけは木偶になり、やることやってさっさとここから出よう。

「グラン、そっちはの様子はどうだ」
通信機で、洞窟の出口付近にいるグランに声を掛ける。
「あぁ、ここも大丈夫そうだ」
「そうか、ありがとう。......マーチ、そちらは?」
「あ、うん......こっちも問題ないよ」
洞窟の中腹に待機させておいたマーチからも報告を得られた。

「よしよし、順調だな」

目的に適いそうな水源だということが分かり、私は安堵と満足感を得ていた。
あとはこの結果を族長に報告して終わりだ。

はぁー、こんな争いなど早く終わって、また自由で気楽な冒険の旅を満喫したい......。
私はそう強く願って、再び通信機のスイッチに手をかけた。

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※画像の生成にはalloy-mixモデルを使用しています
※この作品は、t2iで生成した3枚の画像を結合して制作しています。

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