小説『凪瀬ウミは小腹が空く』【ニャンノ世界】
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#凪瀬家 #ウミ・ソラ・テラ
#統制学園 #学園 #文芸部
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【絵物語】1ページ
『凪瀬ウミは小腹が空く』
「頭脳労働は腹が減る」
「同じく」
ポケットから財布を取り出す2人
家が近くなってくるとワクワクしてくるのは、インドア系だからこそなのか…
凪瀬ウミと筒井メガシラはコンビニへと向かう。
小腹が空いたから…
ウミとメガシラは歩く
コンビニへ
何を買うかは決めてある
決まっている…
彼らの中で本は外せないものだ。
「空を見上げるとさ…UFOとかいるよね…ソラが言ってた」
「ソラかぁ、よく不思議なもんに遭遇してたっけ」
頷くウミ
「ソラが羨ましいよ…ワタシは霊感ないからさ」
持たざるモノは持つモノを
持つモノは持たざるモノを望む
メガシラの脳内で、この言葉が浮かんだ
「なぁ、ウミ…霊感あったらもっと大変なことになってたかもよ」
「あぁ、たしかに…あれはねえちゃんだからこそ、解決できた問題もあったからな、ワタシにはムリだとおもったよ」
昔、野外学習でキャンプした際、怪異に襲われたことがあった…
その怪異はオーイと呼んで取り憑き相手の生命を奪う危険な存在であった。
「ソラの明るさがなかったら、今ここにいなかったな」
「だよね…」
ウミは悔しかった…
あの時、自分はただ怯えていた
だけだった…
襲われたメガシラを助けれず
自分はビクビクしていただけの存在に
負い目を感じていた…
「メガシラ…過去ってさ、ワタシってさかっこわるいよね…他の2人と比べて…その…なんていうか…」
メガシラは手を繋ぐ
「僕だって怖がって何もできなかった…けれど、ウミが側に寄り添ってくれたから…今、こうしてここにいるんだ」
メガシラは…ウミに感謝していた…
自分自身の瞳では見えない物語が、
他の人の視点で語られる物語として機能していることを、ウミもメガシラも同じく、アナザーストーリーが展開されていた。
意識の外だからこそ、聞かされた時の衝撃は凄いものなのかもしれない…
「お腹空いた時は、なんか、鬱になるね…歩こう」
ウミは歩く…メガシラも歩く
夜中、歩いても安全なのは統制学園都市だからこそなのだと思うと…、この平穏な暮らしは当たり前のようで…決して当たり前ではないのがニャンノ世界なのだろうと、
月に手を伸ばしながら、思索にふけるのであった。
【絵物語】2ページ
『凪瀬ウミは小腹が空く その2』
奇妙な空間が目の前に広がっていたら…
其は、喜ばしいことなのか…
悲しいことなのか…
あるいは未知の感覚を覚えるのか
いずれにせよ…統制学園都市に暮らす
凪瀬ウミにとって、
情勢というものが生んだ悲劇というのは
彼女にとって程遠いものかもしれない
ことを意味していた…だけど、
心のどこかで…
ウミの親、特に父親が…
情勢に関わっていることは
母親の口から語られていたし、
そもそも、ウミは父親に似て寡黙だということを知る。
もしかしたら、ネオ越夜隊にいるかもと考えているが…じゃあ、なぜ、ウミ・ソラ・テラと母親を置いて、ネオ越夜に属したのか…と推測しているだけで確証はない…
ただ、分かるのは…ウミは父親との面識がないのだ…いや、もしかしたら、父親は知ってるのかもしれない。
だが、のっぴきならない使命、任務のために潜入しているのなら、仕方ないことだしと、考えるなどしていくうちに
創造力を育んだのがウミたる個性なのかもしれない…
様々な可能性を空想する…
もしも、父親がいたら…
もしも、ニャンノ世界が平和だったら…
果たして幸せだっただろうかと…
陳列された商品を眺めながら…
きっと眠ってる間の記憶も
脳を整理する店員さん的存在がいて、
巡りめぐってんだと
ウミは考える…
筒井メガシラの方を見やると、
ムフフ本には手を出していないものの、
小説を読むふりをひて、ムフフ本のコーナーへと近づいていた。
「筒井…ワタシよりも、その本が好き?…」
「あっ!いや、その…」
筒井を見つめるウミの視線が
胸に突き刺さる
男としてのサガなのか…
見てしまうものは見てしまうのだと
元来より備わる本能ゆえなのかは
知らぬが…それでも…好きなのは…ウミ
筒井メガシラにとって、
好きなのはウミただ一人なのだ。
しかし、その思いを伝えるのが怖くて
恐ろしくて、恐れていた…
嫌われてしまうのではないかと
筒井は小心者なのだ…
お腹が空いてるからこそ…
余計に感情というものは
厄介で、未熟な自分自身というものに
対して、嫌いだとおもうのは…
生きてる証なのだろうかと問い続ける
哲学的センテンスの繰り返しが
紡ぐのは…なんだろうかと考えながら、
コンビニでの買い物を終えた…
【絵物語】3ページ
『凪瀬ウミは小腹が空く その3』
哲学的反証、反芻の末に導きだした
答えをのべようとするが…
空想の中だけにとどめる凪瀬ウミ…
もし、他のソラやテラだったら、
もっと上手く生きていけたのだろうが
少なくとも、ウミは…不器用だからこそ
こうして、肉まんやパンを食べずにはいられない心境だった。
統制学園は現在、執行部らが派遣され、ネオ越夜隊が占拠したヴァルヘイム奪還のために戦っていると聞く…
「ワタシは戦えない…だからこそ、考える…」
もぐもぐとパンを食べながら、思考し、
何十回も噛み砕いて飲み干そうとする…
其は、並大抵、中断してしまう試みを成すのだから…恐ろしいものだとウミ自身感じていた。
そもそも、思考に終わりはない…
たとえ、途中で命が尽きようとも
寿命が来たとしても、
作品がハッピーエンドになろうが、
バッドエンドになろうが、
作者というものは常に何かを考え続けている、断片と断片を組み合わせて…世界を構築していく…
「父親が、ネオ越夜隊だったら、納得いくかな…」
ニヒルな表情を浮かべる
ウミの瞳はどこか悲しげな印象を
メガシラは感じていた。
【絵物語】4ページ
『凪瀬ウミは小腹が空く その4』
凪瀬ウミと筒井メガシラの家は隣同士
ウミはメガシラの父親から父性を得て、
メガシラはウミ・ソラ・テラからは
兄弟愛や愛を知った…
互いが二重螺旋構造の如く影響しあってゆく…
照れながらも、寡黙ながらも、
他者を思いやる心は人一倍あるウミ
心に秘めたる思いには
去っていった父親への思いを
抱いていた。
ウミは父親と似ている…ならば
会いたいと…願っていた…
しかし、ニャンノ世界…
統制学園都市の外を出ればゾンビや怪物、武装組織が跋扈しておりカオスな状況である。
無力だからこそ、空想し、物語として書くのかもしれない…ウミは…他の2人と比べ、非力だからこその頭脳を巡らし
創作にあけるのかもしれない…
「ねぇ、メガシラ」
メガシラを呼び止めるウミ
その瞳は憂いと憂鬱、悲しみなど様々な感情が溢れていた。
「失ったものを求めようとするのは愚かなことかな…」
砂上の城が浮かぶ…
自己満足なのかもしれない…
けれど、城を作りたい思う気持ちと同様なのであれば…
メガシラは
「空想の中は無限大、今、思ったことをぶつけてみたらどうかな」
掛け値なしの世界展開
彼らのなかで渦巻く世界はどうなっていくのか?果たして世界とは…そのさきにある真理、思考を越えた真理は何なのかと
凪瀬ウミは考えつつ…自宅へと向かって歩いていった…
呪文
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