リーサルウェポンの無駄遣い
【今回のお題】
・ローストビーフ(roast beef)
・切り刻む(chopping)
・リーサルウェポン(lethal weapon)
【修正箇所】
・飛び散る肉汁(Scattered meat juice)を表現。
・斬撃エフェクト(slashing effect)を追加。
【ショートストーリー】
ある薄暗い夕暮れ時、料理人の少女・美蘭は市場からの帰り道を歩いていた。路地の片隅で、血に濡れた二本の鋭利なナイフが落ちているのに気づいた。一本は「血哭」、もう一本は「魂喰」。どちらも柄に異様な紋様が刻まれ、刃からは不気味な輝きが放たれていた。美蘭は血の臭いに一瞬たじろぎつつも、「こんな良いナイフ、捨てるなんてもったいない」と呟き、両方を拾って鞄にしまった。
そのナイフの起源は血塗られた戦いの産物だった。秘密結社「オメガ・シンジケート」が誇る人類最強の兵器「リーサルウェポン」は、2本1組の双刃「絶命刃」として知られていた。「血哭」と「魂喰」は揃うことで絶大な力を発揮し、対人戦において一振りで数十人の敵を瞬時に切り刻むほどの殺傷力を秘めていた。数日前、結社のエリート暗殺者たちが敵対組織との死闘に突入。激戦の末、暗殺者たちは全滅し、「絶命刃」を握ったリーダーが最後の力を振り絞って敵の首領を道連れに斬り倒した。だが、その衝撃で双刃は血まみれの手から滑り落ち、路地の暗がりに転がった。戦場は混乱に包まれ、生き残った敵組織の者たちも「絶命刃」の存在に気づかぬまま撤退。放置された双刃は、偶然にも美蘭の手に渡ることとなった。
家に帰った美蘭は、早速そのナイフを試してみることにした。冷蔵庫から取り出したのは、昨日仕込んだ自家製のローストビーフ。まず「血哭」を手に持つと、刃を肉に当てて一気に切り下ろした。すると、肉汁が勢いよく飛び散り、まるで生き血のようにキッチンを赤く染めた。次に「魂喰」を試すと、同じく汁が噴き出し、切り口からかすかなうめき声のような音が漏れた。「何!? この切れ味と肉汁の飛び散り方、異常すぎる!」美蘭は驚きつつも興奮を隠せなかった。これは「絶命刃」が人肉を切る際に発揮する特殊効果だったが、彼女はただの奇抜なナイフと思い込んだ。
その日から、美蘭は「血哭」と「魂喰」をキッチンで使い分けた。野菜を切れば瞬時にみじん切り、肉を刻めば血のような汁が飛び散る。「ちょっと派手だけど、料理が楽しくなるね」と彼女は笑った。しかし、彼女は知らなかった。2本が揃ったことで「絶命刃」は共鳴を始め、その波動が結社の追跡者を引き寄せていることを。結社は双刃を失ったことで組織の威信が揺らぎ、対人戦の切り札である「絶命刃」を奪還すべく、暗殺者たちが美蘭の家に迫っていたのだ。
ある夜、窓の外で不気味な影が揺れた。美蘭はローストビーフを切りながら呟いた。「このナイフがあれば、何でも切れちゃうね」。彼女の手の中で、「血哭」と「魂喰」が赤く脈打ち、次の獲物を待ちわびているようだった。その刃が次に切り刻むのは、食材か、それとも血肉か——。
(続く)
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