少年の心を壊した悪魔
田舎に住んでる僕にとって、大きな街に住んでる祖父の家の周りは未知で溢れていた。
昼間は静かな通りが、夜には綺羅びやか着飾ったお姉さんやお兄さんが歩き賑わう声がする大通り。
裏通りの寂れた小さな教会。埃っぽくて薄暗くて少しだけ不気味な小さな教会。
昼と夜の顔が違うこの街を探検するのが、毎年の楽しみだった。
夜いつもの探検に出たら裏通りの小さな教会から明かりが洩れていた。
こっそり忍び込んだ僕は、とてもキレイなお姉さんに出会った。
昼間は薄暗くて不気味な教会が夜には、どこか神秘的に感じられた。
今思い出しても、あのお姉さんに適う美人には会った事が無い。
お姉さんは僕に気付く少し驚き、「おいで」と僕を呼んだ。
フラフラと近付いた僕を抱き寄せたお姉さんからは、甘い花の蜜の様な匂いがした。
まるでこの世の者とは思えぬ美しさに、幼い僕は呆けてしまった。
優しく、でもどこか僕を見下す様な笑みでお姉さんは囁いた。
「夜中に出歩く悪い子にはオシオキが必要だね、それとも冒険に出た小さな冒険者君の勇気にご褒美が必要かな?」
囁やき、僕を宝満な胸に抱き寄せた。
「ふふ、ご褒美とオシオキの両方だね。」
わる〜いオトナのアソビを僕のカラダに刻み込んだお姉さん。
その後は毎晩、お姉さんの所へ通った。毎晩毎晩、お姉さんに僕で遊んでもらった。
僕の魂はこの時点で穢れに犯され堕落しかけていたんだろう。
家に帰る最後の晩、お姉さんと約束をした。
それが最後で、どれだけ探してもお姉さんは見付からなかった。あの教会もどこにも無く、教会の有った場所は壁だった。
満たされぬ渇望がオシオキだったのか。僕の心は悪魔のお姉さんに壊されたままだ。
大人になってから、ふと思い出して夜の街を彷徨った。
あの日見つけた、小さな教会。あの日潜った古ぼけた扉。
まさかと思い、中に入った。
あの日のままのお姉さんが居た。
「大人になってから再会したら、ずっと一緒に居てあげる。」
ただの口約束だった。ただの思い出になっていたのに。
この世の者とは思えぬ美貌。
僕はとっくに悪魔の虜だった。
「悪魔は契約を守るのよ。だから坊やの魂が擦り切れて消えるまで、ずっと一緒に居てあげる。」
堕落しきって悪魔の虜になったけど、僕は満足だ。僕が消えるその時までずつ一緒に居てくれるなら、僕は満足だ。
呪文
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