僕の名前はエリオット・アインス
アインス家の長男で、この家の跡取りだ。
今日、許嫁が家にくる。
正直、興味はないし、僕は自由気ままな
冒険者になりたい。
いや、実際は大変なんだろうが、
それでも、勇者の物語には
胸がワクワクする。
それに比べ、現実は退屈で冷たい…
「僕、旅に出たいです父様」
「駄目だ」
ですよね~わかってますよ、
その程度で無理なのは
「じゃあ、許嫁と一緒に冒険するのは?」
「うーん、そうだな、まぁ、悪くはないが、命の危険がおおい、正直言って、冒険者など浮浪者とさして変わらんようなものだ。なるなら、騎士、ブラウゼーゲン騎士団を勧める」
「僕は1ヵ所に収まるのは嫌なんです!」
扉を激しく閉め、親を悩ます。
自分でもわかってる、実力はないし、
才能もない、ファンタジーなんてものは、
もはや、過ぎ去り、現代兵器で魔物を討伐する時代になっている。
剣や魔法の時代は、とっくに終わっていた。
まぁ、剣に関しては、屍骸なるものへの対抗作になってるわけで、
とにかく、僕の生きる世界は、
ざっくりだがそんな感じ、
色々あって、
許嫁と出会う
「よう、こんにちは」
「こんにちは、わたくしはエ」
「E.Tね、知ってるよ」
「私は宇宙人とは違いますわ!」
ぶすくれる、エリス、
金髪で、おっぱいでかくて、
僕よりも背が高いのか、
ふーん、いいじゃん、おねショタ的なことができるってわけ?
「私を見て、いかがわしいことカンガエテマスノ?」
ちょっとE.Tに影響されてるじゃん
「今時、ちゃんと正装してるんだなとオモッテタ」
「ウソです、ダウトです」
エリスの勘は鋭いな…
これって、気持ちの中の台詞も
漏れてるの?
まぁ、とにかく、服装は古めかしいが、
まぁ、カワイイじゃん、
まぁね、僕の家もいいところですからね
まぁ、まぁ、ママァー!って
バブみを求めると甘えさせてくれるのかな?
「エリオットさんって、変なことやっぱりかんがえてますね」
「エリオットでいいよ、僕が許嫁ってずっと呼ぶのも嫌だろ、もっと砕けてええんだよ」(ニヤニヤ)
「その見た目は子供、頭脳はおじさん的な表情はおいといて、エリオットがそう言うのなら、くだけさせていただきますわ」
「じゃあ、僕も…ねぇねぇ、下着、何付けてるのぉ?いいでしょ?紫?もしかして、白色、わぁー」
バチーン
「あなたは破廉恥というものを知らずに育ったのですか」
「いやぁ、くだけるならそれくらいくだけないと、服の向こう側は見えないのかなと思ってさ」
「はっはぁ~!エッエリオットじゃなくてエッチですわ!」
「それは君の着ているものが僕を誘ってるからじゃないか…だって、しょうがないじゃないか!」
第2話見知った胸…
「もう!何、エヴァのシンジくん顔をしてるんですの!ぶちのめしますわよ!」
「だって、エリス、カワイイもん」
「かっカワイイ…なら、いいか」
チョロい、この娘はチョロいのか?
「駄目だよ、すぐすんとなっちゃ、」
「乙女は恥ずかしがるってこそだと思いますが」
「僕がヘンタイだからよかったけど、ワルいヘンタイさんがいたら、このあと、あれやこれや、いいようにされちゃうよ」
「自分でヘンタイってのは認めるんですね…」
呆れ顔のエリス、
とにかく、話していて面白い子だ。
雰囲気も悪くない、
最初は嫌だったお見合いも、
なんだか、楽しい
「僕は確かにヘンタイだ。だけど、君のことは大切にする」
「どうして…ですか」
エリスは頬を染める。
上目遣いで僕のことを見ている。
視線の先には、パイが見える。
おいしそうなパイが食べたくなってきた。
ええのうええのう、いかんいかん、
僕の心のエロイ僕が反応してしまう。
落ち着け僕、餅付け餅、
いや、餅は餅やかい!
謎思考ここに極まれり
「ぼぉーとしてどうしたんですか」
時間の流れを忘れて、
自分の世界に入るのは
ボブじゃなくて僕の悪いくせ!
てへぺろ♪
「話してて面白いからってのは…駄目かな」
頭をかきかきしながら、
僕なりの答えを出す。
「そんなことを言われたのははじめてです…」
「そうなの?」
「はい、今までの縁談では、古めかしい衣装を着ているからと邪険にされたり、背の高いのを見て、恐れおののいたりされていました」
「そんな男がいるとは、ヘンタイとして名が廃るな」
「エリオットのアイデンティティはヘンタイってのはよくわかりましたわ…」
「でも、僕は君と出会えて嬉しいよ!」
もにゅ、ぽよんぽよん
僕はエリスの胸に抱きつく
「わぁーふかふかの羽毛布団みたいやー」
「エリオットやめてください!親を呼びますよ!お父様ー!騎士団長のお父様ー!」
「どうしたァァァァー!エリス!」
豪快に扉をぶち破る
エリス父が現れた
「おい…娘にいかがわしいことをしてみろ、許嫁だとしても、俺の目の黒いうちは節度ある関係を頼むぞ!エリオット君」
「あっ…はい」
わぁ、怖い、けど、それだけ
父親が強そうだと、
自分の気が引き締まる。
「あの、さっきのすみません!あまりにも娘さんが魅力的で!つい…」
「……」
エリス父は黙る。
「娘さんと話していると僕の心が晴れやかになるというかなんと言うかとにかく、楽しいんです!」
エリス父はしばらく黙り、
あれ、これは、粛清されるかもと思いきや
「そうだろう!何てたって、俺の大切な子だからな!褒めてもらえて嬉しいよ、エリオット君!」
「お父様ぁ」
「まぁ、安心しなさい、エリオット君はエリスの良いところをわかっている。ヘンタイだってのは、好きってことなんだと思えば、許せる。ただし…」
エリス父は眉を険しくさせ
「浮気は許さないからな。そうした場合、お前をトワイライト家の主として斬る!いいな」
「はっはい、お義父さん」
僕はエリス父の圧に
汗がダバダバと出てくる。
エリス以外の女性とは
付き合ってはいけないことを示している。
まぁ、その点は大丈夫だ。
今まで、二次元のキャラとの恋を想像して楽しんでいたのだから。
現代ファンタジー世界でよかったぁー!
「惚れた女は一途に愛せよ」
エリス父は僕の肩をトンと叩く、
「はい、僕はもう、エリスの騎士になります!」
「その意気やよし!じゃあ、これからよろしく頼むぞ!エリオットくん」
エリス父はあとは2人の時間だといって、立ち去る
「どうしましょうかエリオット」
「うーん、そうだなぁ」
普通に握手てのも良さそうだが
一捻りしてみたいな
「改めてE.Tの映画の名シーンみたく指を合わせてみない?」
「わかりましたわ、私はE.Tではないですが…いや、省略したらE.Tか…あーもう!」
彼女はうわぁーとなってあたふたしている。目が✕の字になってて可愛い
「ほら、エリス、指、」
ほら、と、僕は指を彼女に向ける。
「はっ、はい、こうですか…」
「そっそう、じゃあ近づけるね」
「んっ…」
あれ、なんだろう、
宇宙人と少年は健全なのに…
今、この瞬間、不健全に思えるのは…
「おっおい、僕まではっ恥ずかしくなるだろう」
ただ、指を近づける行為がこんなに、
えっちだなんて、誰が思えただろうか、
直接的なことをしていないのに
「うっうぅ、はっはやくぅしてください」
指と指が徐々に次第に触れあってゆく
ピタ
彼女の肌が伝わる、
冷たい肌だ、
「エリオットの手、温かい…ですね」
「あっあぁそうだなぁ」
これはめちゃくちゃドキドキするぅー!
心臓バクバク聞こえていやしないか?
バレてないか、大丈夫か?
大丈夫だ問題ないか?
「しっかり握ってもいい?エリオット…」
「うん、」
僕とエリスは手を握り合う、
ちなみに、いかがわしいことはなにもしていない。
きっと、一線越えたらこのドキドキは
違うものになってしまうのだろうか?
壊れてしまうのではないか?
でも、今は、エリスとのふれあいを大切にしようと思った。
(あとがき)
企画『上流階級』で制作したものです。
最初は破廉恥ヘンタイ野郎の
キャハハウフフを書くつもりでしたが、
書いていくうちに、E.T、可愛いじゃん、
わぁーってなって尊い、胸がキュンキュンしちまう。まさしく、僕の心が爆発してしまう話が完成した次第であります。
楽しめてもらえたら、幸いです。
ここまで、読んでくださった方、ありがとうございます。